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デオドラントやフレグランス商品は女性だけのものではない(写真:Ushico / PIXTA)

初夏以降に店頭で目立ち始めるデオドラントやフレグランス商品。制汗剤やコロンなど、体に直接つけるものだけでなく、近年ではさらに衣類の洗剤(柔軟剤)に香る機能をもたせたものなど、種類や用途の拡大が顕著だ。

その中でも特に活況を呈しているのが、男性向けのデオドラント商品。近年、「スメハラ」という言葉で代表されるように、オフィスでの“ニオイ”に対する意識が高まっている。不快な臭気としては、きつすぎる香水なども含まれるだろうが、多くの人が「スメハラ」として挙げるのは体臭のようだ。男性向け商品が伸びているということは、自ら気にする男性が増えてきたということだろう。

男性の体臭は今も昔もそう大きくは変わっていないと思うが、なぜ、最近になって急に注目されるようになったのだろうか。男性用化粧品のメーカーとして知られ、デオドラント製品にも力を入れているマンダムでは、「2011年の夏、震災の影響による節電の風潮で、オフィスで汗をかくシーンが多くなったことがきっかけ」(マンダム広報部主任?奥啓輔氏)と分析する。

タバコが消えたことで「体臭」が目立つように

マンダムの奥氏。手に持っているのが直塗りの「スポットデオオラント?ロールオン」(650円)、と薬用スカルプシャンプー(1450円)(筆者撮影)

また大きな流れで見れば、女性の社会進出も、職場の“ニオイ”意識の高まりに関与する。一般的に男性より女性のほうが嗅覚が敏感であるためだ。
オフィスの禁煙化も挙げられる。臭気の点で“ライバル”であるタバコが消えたことで、体臭の存在が目立つようになった。そのほか若い世代を中心とした美容意識の高まりなど、さまざまな理由がある。

そこでマンダムでは、2004年から日本人男性の体臭の基盤研究を始め、現在はCSRの一環として「においケアセミナー」を開設するなど、体臭問題に長く取り組んできた。同社のセミナーは2014年のスタートから2017年6月時点で累計50社以上、約2500人が受講するほどになっている。言ってみれば、同社は“ニオイケア意識の高まり“を牽引する存在なのだ。


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