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トランプ大統領に追い風が吹き始めた?(写真:ロイター/Joshua Roberts)

ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏のセクハラ疑惑が全米で大きなニュースになっている。ハリウッドといえば、美男美女が集まる白人至上主義者の“聖地”であり、これまで筆者が指摘してきたように、ドナルド・トランプ米大統領を徹底的に批判する、ハリウッドメディアを地盤とする全米メディアの影の支配者でもある。

そのハリウッドを中心に、過去30年以上にわたって、女性たちの人権をないがしろにするセクハラ行為を続けてきたワインスタイン氏のスキャンダルを暴露したのは、ハリウッドがある西海岸のメディアではなく、東海岸のニューヨーク・タイムズ紙(10月5日付)だった。

映画芸術科学アカデミーから追放

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同紙のスクープが報じられて以来、これまで見て見ぬふりを決め込んできたハリウッドの欺瞞が次々に暴かれ、「アカデミー賞荒らし」「オスカー荒らし」と畏怖されてきたワインスタイン氏は、ついにアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーから追放された。

ワインスタイン氏自身は、不同意の性行為を全面否定しているが、ハリウッドでは、同氏のセクハラ行為を「公然の秘密」だったという意見が圧倒的である。

このハリウッドスキャンダルを契機に、トランプ大統領には思わぬ神風が吹き始めたと筆者は分析している。ざっと3つの神風が吹いている。1つは、ハリウッドスキャンダルをFBI(連邦捜査局)が捜査に乗り出そうとしていること。2つは、ハリウッドスキャンダルを暴いたニューヨーク・タイムズ紙が、北朝鮮をめぐるトランプ大統領と共和党上院外交委員長との感情的対立を報じたこと。3つは、ハリウッドスキャンダルがトランプ氏の政敵中の政敵に飛び火したことだ。


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