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朝ラッシュ時の柳田大橋で発生する渋滞の様子。宇都宮ライトレールの開業で渋滞は解消されるか(筆者撮影)

宇都宮市で新型の路面電車、ライトレール(軽量軌道交通)事業が着工へ向けて本格的に動きだした。9月末に宇都宮市議会で軌道敷設の議案が可決され、翌月10日には栃木県議会でも可決した。両議会の可決を受けて11月には車両の設計に関わる手続きが始まり、栃木県が事業費支援を表明するなど具体的な動きが進み始めた。着工は来年3月、開業は2022年春の予定だ。では、宇都宮ライトレールが開業するとまちはどのように変わっていくのだろうか。

完成するとまちはこう変わる

今回事業化される予定なのが、宇都宮駅東口から芳賀町にある「本田技研北門」(以下停留所の名前はすべて仮称)までの14.6kmだ。同区間の現状を見てみよう。

起点となる宇都宮駅東口は、作りかけのデッキと広々とした駐車場が目立つ。この場所は長らく"塩漬け"の土地だったが、ライトレール開業に合わせるように2000人規模のコンベンションホールと商業施設を中心とした再開発が行われる予定だ。

「宇都宮駅東口」から「平出町」までの3.5kmは鬼怒通りの中央を走ることになる。片側2車線の道路だが、ライトレール開業により高架部と西行きのみ1車線減少する。これによる渋滞を懸念する声は多い。

鬼怒通りをしばらく進むと南側に「イトーヨーカドー」や「TOHOシネマズ」の入った大型複合商業施設「ベルモール」がある。現在ベルモールの1階にライトレール事業の広報を行うオープンハウスも設けられている。バスで訪れる人も多く、ライトレールが開業すると設けられる「ベルモール前」停留所は乗降客が多くなりそうだ。一方で、鬼怒通りを右・左折してやってくるクルマも多く、事故や渋滞が懸念されるポイントでもある。

立体交差で鬼怒通りを外れると、トランジットセンターと車庫が設けられる予定の「平出町」停留所の予定地にあたる。現在は農地が目立つが、ここに支線バスやキッスアンドライドのクルマが集まるようになるかもしれない。


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