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子どもを勉強嫌いにさせるための究極の言葉は…(写真:Rina / PIXTA)

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小6の男の子の母親です。うちの子はいつもゆっくりとしか動かず、「早くしなさい!」と言ってもやらず、また片付けも、何度も言われてようやくやります。もちろん勉強も、言われないとやりませんし、言ってもやらないことも、しばしばです。先日も学校の宿題で、読書感想文があったのですが、それも、ようやく書かせたと思ったら、本のあらすじを書いているだけで、「感想なんだから、もっと自分の気持ちを書いたら」と言っても、どういうふうに書いていいかわからないと言って、逃げてばかりなのです。このような状況なのですが、何か打開策はあるものでしょうか。
(仮名:早川さん)?

「やりなさい!」と連呼してもダメ

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ご家庭での様子が目に浮かぶようです。子どもはいつも家ではのんびりしていて、それを見て、お母さんはいつもイライラという状況なのでしょうね。

そして、質問内容には書いていませんでしたが、おそらく、“子どもを勉強嫌いにさせるための究極の言葉”である「勉強しなさい!」を日々、連呼していることでしょう。このような状況ですと親も子も日々、しんどいですよね。1日も早く打開させたいという気持ちもよくわかります。

では、まず状況の整理です。お子さんは次のような状況ということですね。

1)のんびりしている?→「早くしなさい!」で対応
2)片付けしない?→「片付けしなさい!」で対応
3)宿題(読書感想文)をやらない?→やるように促したが、結果に親が満足せず、さらに子どもは言い訳をしている

このような対応をしてきて、好転しないということですから、この方法は間違っているということになります。

たとえば、「早くしなさい!」、この言葉は多くの家庭で使われている言葉ですね。実は、大人と子どもでは時間感覚に差があるということをご存じでしょうか。「ジャネーの法則」というのがあります。これによれば、時間の心理的長さは、年齢の逆数に比例するそうです。

たとえば、40歳の人間にとって1年の長さは人生の40分の1ほどになりますが、10歳の人間にとっては10分の1に相当しますね。簡単に言ってしまえば、親子で年齢が4倍違うと、心理的な時間の長さは、親の1分が、子どもには4分ということなのです。親が1分でできることは、子どもはその4倍の4分かかるのが普通ということです。したがって、「早く」の感覚が異なるのです。このようなことを知らないと、ただ親は自分の感覚で「早くしなさい!」と言うことでしょう。


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