「なんだかあの人の話は、頭に残らないな」……そんなふうに思うことはありませんか。もしかしたら、あなたの話が周りの人にそう受け取られていないとも限りません。そんなときは“プレゼンであらゆることが決まる”GE(ゼネラル・エレクトリック)の「15語」法が参考になります。
『世界最高のリーダー育成機関で幹部候補だけに教えられているプレゼンの基本』の著者であり、GEの“世界最高のリーダー育成機関”と呼ばれる研修機関・クロトンビルで教鞭をとってきた田口力氏が解説します。
「簡潔、明瞭であること」が大切
人に何かを伝え、その人に承認してもらい、動いてもらうためにいちばん大切なのは、「簡潔さ」です。書類やスライド資料、実際の話し方、そして伝えたいメッセージ自体においても「簡潔さ」を念頭に置くべきです。
GEでは、社内のプレゼン研修の改訂をする際に、上級リーダーたちにインタビューを行いました。「GEで日々行われているプレゼンテーションで改善すべき点は何か」というシンプルな質問を投げかけたのです。
その結果、回答として最も多かったのが、プレゼンテーションの資料および話し方共に、「簡潔、明瞭であること」を求める意見でした(2番目は「情熱」を求める意見でした)。
細かい文字を埋め込んだスライドは、作るのに時間がかかりますし、そのような資料を見せられた意思決定者のほうも、話のポイントがつかめないので、ムダが生じるのです。
脳のクセという観点からも「簡潔さ」は大切です。難しいことを考えたり、わかりにくいことを理解する努力をしたりすると、エネルギーの消費量が増えるので、脳はそうしたことを自己防衛として「嫌う」のです。反対に、「わかりやすいこと」に対しては、エネルギーの消費を抑えることができるので「好ましい」と感じます。
一般的に「簡潔でわかりやすいこと」が良いことだと思っている人も多いはずです。それなのに、どうしてわかりにくい複雑な話し方に陥ってしまうのでしょうか。
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