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ルールによって仕事の生産性を低下させてしまうことも…(写真:坂野友彦 / PIXTA)
今年度も残すところ半月。4月から新しく管理職になる人は、そろそろ内示を受けたころでしょう。
ですが、「管理職1年目」には失敗がつきものです。特に、プレイングマネジャーの場合、部下を管理しながら自らの成果も求められるため、仕事量が急激に増えるケースがほとんどです。
日米両方のグローバル企業での豊富なマネジメント経験を基に、『管理職1年目の教科書』を上梓した櫻田毅氏が、高速で仕事を処理し、かつ確実に成果を出す外資系マネジャーの仕事術を紹介します。

「A4紙1枚ルール」の笑うに笑えない話

業務の効率化や生産性の向上のために、仕事の進め方に関して何らかの社内ルールを定めている職場をよく見かけます。資料はA4サイズの紙1枚にまとめるべしという「A4紙1枚ルール」などがその代表例でしょう。背景には、要点を端的に整理することによって、短時間で本質的なことを伝えようとする考え方があります。

『管理職1年目の教科書』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

面倒くさいルールなどなくても、社員の判断で生産性高く仕事が回っていくような組織が理想ですが、経験豊富な経営者や管理職の的確な知見をもとにした、仕事をより円滑に進めるためのルールであれば、それは組織にとってのプラス要因になりえます。

ただし、社内ルールの運用にあたっては、管理職やグループリーダーなどの立場にある人が十分に気をつけなければならないことがあります。

良かれと思って作ったルールによってメンバーの行動が制限され、かえって仕事の生産性を低下させてしまうことがあるからです。逆に、ルールをうまく使うことでメンバーの行動の裁量を保証し、より仕事を円滑に進めることもできます。

「A4紙1枚ルール」について、メーカーに勤める友人の時田さん(仮名・50代)から笑うに笑えない話を聞いたことがあります。


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