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中国への報復や閣僚の解任など、悪材料を「大盤振る舞い」する米トランプ大統領。それでも、思ったほど株は下がっていない?(写真:ロイター)

米国のドナルド・トランプ大統領が、引き続き悪材料を「大盤振る舞い」している。13日(火)には「米国が、中国からの輸入品に対する関税引き上げや中国企業の対米投資の制限を検討している」と報じられた。「中国の知的財産権侵害に対する報復措置」の位置づけだ。

マーケットは「悪材料てんこ盛り」の割に底堅い

もともと最近、鉄鋼やアルミ製品に対する関税の導入で、米政権の保護主義的な措置に対する警戒感は強まっていた。そこへ、火に油を注ぐ展開だ。加えて「閣僚ドミノ」と揶揄されるような、主要閣僚の辞任・解任が立て続けに起きた。

6日(火)には、本人はこう言ってはいないと思うが、「関税の導入は、いかんぜぇ」と反対していた、ゲーリー・コーンNEC(国家経済会議)委員長が辞任することとなった。それに続いて、13日(火)には、対北朝鮮政策などで大統領との溝が深まっていた、レックス・ティラーソン国務長官が、「ツイッター解任」された。加えて、ハーバート・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)についても、有力なマスコミが解任説を報じている。

しかし、これだけ「爆弾」が投げ込まれた割には、内外の諸市場は底固かったと言える。「お膝元」の米国株式市場では、ニューヨーク(NY)ダウ工業株指数は前週末比で下落はしたが、1週間の下落率は1.54%にとどまっている。外国為替市場においては、週を通じては全面的な円高商状(主要通貨で見ると対円で上昇したのはノルウェークローネだけ)だったが、たとえば米ドル円相場は、一時のような1ドル=105円に迫る動きはみられず、せいぜい106円を出たり入ったりであった。

このため日本株も、財務省の公的書類改ざん問題が大きく騒がれているにもかかわらず、TOPIX(東証株価指数)も日経平均株価も、週間では上昇して週を終えている。


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