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なぜ「異性の友達」がたくさんいる人は、夫婦間の会話もはずむのだろうか。独身の人もシニアの人ほど異性の友達を持つべきだ(写真:node/PIXTA)

男性サラリーマンが定年退職して、「会社人」から「社会人」になると、それまでとは「人と付き合うパターン」が変わってきます。

会社という「タテ社会」だけで過ごしてきた男の「末路」

何しろ会社の中で大半の時間を過ごし、仕事が終わった後も同じ職場のメンバーと飲みに行ったり、休みの日は休みの日で会社の仲間とゴルフに行ったりしていたのが、そういう機会はほとんど途絶えることとなるからです。

一般的に男性はタテ社会のコミュニケーションは得意ですが、ヨコのコミュニケーションは苦手という人が多いように思います。

先日、『世界一孤独な日本のオジサン』(岡本純子著、角川新書)という面白い本を読みました。著者はコミュニケーションの専門家ですが、中高年齢層の男性のコミュニケーション力の低さに改めて考えさせられるところがたくさんありました。もちろん、これは必ずしも男性自体が悪いというわけではありません。

そもそも男性のコミュニケーション能力というのは何か目的があり、それを実現するためにコミュニケーションを取る、つまりコミュニケーションは手段である場合がほとんどです。これに対して、女性はコミュニケーション自体が目的となり、とりとめのない話であろうが、話す論点があちこちに飛ぼうが、それを楽しみながら延々と続けていくことができます。

確かにカフェやファミレスに行っても、女性同士のグループで和気あいあいと話しているのはよく見かけますが、中高年の男性ばかりで集まって延々と雑談に興じているという光景は目にすることが少ないように思います。なぜなら男性にとって、コミュニケーションとは、できるだけ効率よく解答を見つけたり問題を解決したりするための手段だからです。でも、それはあくまでも仕事の場合であり、会社を引退した後は自分の居場所を確保し、孤独に陥らないようにするためには人とのつながりやコミュニケーションが重要であることは言うまでもありません。

そんなシニア世代にとって、私は男性でも女性でも特に「異性の友達」を持つことが大切なのではないかと思っています。


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