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社会とどう向き合うべきなのでしょうか(写真:GAPS / iStock)
独自のルールを持っていたりコミュニケーションに問題があったりするASD(自閉スペクトラム症/旧・アスペルガー症候群)、落ち着きがなかったり不注意の多いADHD(注意欠如・多動性障害)、知的な遅れがないのに読み書きや計算が困難なLD(学習障害)、これらを発達障害と呼ぶ。
今までは単なる「ちょっと変わった人」と思われてきた発達障害だが、生まれつきの脳の特性であることが少しずつ認知され始めた。子どもの頃に親が気づいて病院を受診させるケースもあるが、最近では大人になって発達障害であることに気づく人も多い。
発達障害について10年程前に知り、自身も長い間生きづらさに苦しめられていたため、もしかすると自分も発達障害なのではないかと考える筆者が、そんな発達障害当事者を追うルポ連載。発達障害当事者とそうではない定型発達(健常者)の人、両方の生きづらさの緩和を探る。
第15回目は「発達障害の僕たちが人にあまり言えない本音」(4月20日配信)に続いて、「発達障害BAR The BRATs」(東京・高田馬場)のマスター、光武克さん(33歳)と吉田正弘さん(25歳)、スタッフの山村光さん(仮名・24歳)の座談会後編をお届けする。

「圧倒的にヒューマンスキルが足りない」

――現在、山村さんは就労移行支援施設に通ってらっしゃるそうですが、そこではどんな支援をしてもらえるんですか?

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山村 光(以下、山村):まだ通いはじめて間もないのですが、精神障害を患っている人が一般企業で働くために訓練を積む場所です。自分はコミュニケーション能力が低いんです。昔、働いていた職場で「君は仕事のスキルが足りないんじゃなくて、圧倒的にヒューマンスキルが足りない。その中で特に際立ってコミュニケーション能力に欠けている。だから、仕事を教えればきちんと結果を出せるけど、会社で働くというのはそこじゃないんだよ」と言われたんです。

何かしらの職業に就きたくてその知識をつけるために就労移行施設に通っている人が多いと思いますが、自分はコミュニケーションスキルを身に付けたくて通っています。


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