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【ソウル=山田健一】韓国サムスン電子が13日発表した2017年7?9月期連結決算の速報値は、営業利益が前年同期比2.7倍の14兆5千億ウォン(約1兆4500億円)だった。2四半期連続で最高益を更新する見込み。スマートフォン(スマホ)などに載せる半導体メモリーが好調だったとみられる。前年にスマホの品質問題で多額の損失を計上した反動もあり、大幅増益になった。

売上高は62兆ウォンと30%増えた。7?9月期の純利益や事業部門別収益は今月下旬発表予定の確報値で公表する。主力の半導体部門の営業利益が、過去最高だった4?6月期と同水準か、それ以上になった公算が大きい。韓国の証券アナリストの間では、同部門の営業利益は10兆ウォン程度との見方が多い。

サムスンは、DRAMとNAND型フラッシュという用途の異なる2つのメモリーで世界首位。今年はスマホやサーバー需要に供給が追いつかず、利益が出やすい市況が続いている。

アナリストによると、自社製スマホを主体とする「IT&モバイル部門」の営業利益は3兆ウォン前後で、ほぼ損益トントンだった前年同期から急回復した。昨夏の発火事故にもかかわらず今年は春と秋に発売した旗艦機種が堅調に推移している。米アップルや中国のスマホ大手に供給する有機ELパネルなど「ディスプレー部門」の利益は9千億ウォン程度のもよう。

好調なサムスンだが、足元には不安もある。次の四半期(10?12月期)は、前年に半導体部門が市況改善の恩恵を受け始めた時期だけに成長速度が鈍る可能性がある。

NANDはサムスンが最新技術を適用するため生産量が伸び、来年は市況が曇るとの予測もある。スマホ向け有機ELに対する競合他社の追撃もあり、収益柱を巡る事業環境は今年より来年の方が厳しくなる。



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