ニュース本文


学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り、愛媛県が21日に国会に提出した文書。安倍晋三首相や側近の国会答弁と食い違う記録が新たに示された。何が真実なのか。矛盾がまた広がった。

愛媛県の新文書は政府関係者らとの面談のため、東京出張を命じる「旅行命令(依頼)簿」4枚、出張を報告する「復命書」3枚、「面談結果概要メモ」2枚、首相秘書官だった柳瀬唯夫・経済産業審議官への「説明内容を書き起こしたメモ」1枚、「個人メモ」6枚など。加計学園、愛媛県の動きが詳しく書かれている。

これまでの政府側説明と最も食い違うのは、安倍首相が同学園の獣医学部新設計画を知った時期。首相は「2017年1月20日」との国会答弁を繰り返してきた。これに対し、新文書は加計学園関係者からの報告内容として、「15年2月25日」に同学園理事長と安倍首相が面談。首相が「新しい獣医大学の考えはいいね」と発言したとしている。

新文書の内容が事実なら、国会答弁より2年近く前に計画を把握していたことになる。

柳瀬氏は「(計画は)首相案件」と発言したことを再三にわたって否定。今月10日の参考人招致でも、同県職員が作成した文書に記載されていた「本件は、首相案件」との発言について「伝えたかった趣旨と違っている」「『首相』という言葉を使わないので、私の発言として、やや違和感がある」と説明していた。

ところが、新文書では形式の異なる複数のメモに柳瀬氏の発言として「獣医学部新設の話は総理案件」「本件は、首相案件」などと記載がある。

また柳瀬氏は15年4月2日の面会で加計学園関係者が主に話しており、約10人の随行者に愛媛県や今治市の職員が含まれていた可能性があるなどとしていた。ただ、新文書には部屋の大きさの都合で6人しか入れなかったとの記載があり、やりとりを記したメモは愛媛県職員の発言内容も記録している。



記事一覧 に戻る 最新ニュース読み比べ に戻る