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 豊洲市場の観光拠点「千客万来施設」の事業着工見通しが立たない中、東京都の担当者は21日の築地再開発に関する有識者会議終了後、千客万来施設の事業者「万葉倶楽部」(神奈川県)を訪れて報告書を示した上で、事業推進の可否を今月28日までに回答するよう求めた。小池氏は取材に「このまま時間だけが過ぎるのを避ける区切りだ」としており、万葉側に事実上の最終判断を迫った。

 また、万葉の高橋弘会長が今月1日、小池氏との直接会談で求めた(1)安価に発注できる建設会社を都が斡旋(あっせん)(2)施設のテナント募集を都が主体的に行う?とする要求について、都側がすでに「実現は難しい」と万葉側に難色を示していたことも関係者への取材で新たに判明した。

 これに対し万葉幹部は「会長が求めた2点が、事業推進の条件ではない。着工が先延ばしになったことが、実現を難しくしていることを都側に理解してもらうため2点を示した」とした上で、判断については「再開発の方向性次第と都にも伝えてある」と強調。報告書を踏まえた上での都側の考え方について、より具体的な説明が必要との立場だ。一方、小池氏は「都として検討したことは(万葉側に)投げ返している」としており、両者の溝が埋まる気配はない。

 都が回答期限を切ったことに万葉側は、「都がこれまで示した材料で推進の可否を判断できるかも含め、今後社内で検討したい」とするにとどめた。



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