品川です。AaMLとAndroid MLに投稿させていただきました。GPSを利用したアプリはいくつもリリースされていますが、衛星からの電波が届かない屋内ナビゲーションはまだまだ実験中というところではないかと思います。スペインのバルセロナから普及し始めているNaviLensは、QRコードのような専用タグをスマートフォンのカメラで読み取る仕組みを採用し、屋内ナビゲーション目的でも利用されています。?NaviLens on the App Storehttps://apps.apple.com/us/app/navilens/id1273704914NaviLens - Google Play のアプリhttps://play.google.com/store/apps/details?id=com.neosistec.NaviLens&hl=ja地下鉄やバス、博物館などで採用されているそうです。たとえば、四角いカラフルなデザインのNaviLensタグを駅の券売機横に掲示しておけば、ユーザは離れた位置からスマートフォンのカメラで見回すことにより、その場所と距離を知ることができます。タグにはテキスト情報を記録でき、サーバーで管理しているので、内容に変更があった場合には書き換え可能です。A4サイズのタグであれば15メートル離れた位置から検出可能とアナウンスされています。専用タグには個人利用のタイプとパブリック利用のタイプがあり、屋内ナビゲーション目的で利用されているのはパブリック利用のタグです。10月19日と20日、大阪では日本ライトハウス展が開催されますが、NaviLensのパブリック向けのタグを2種類提供していただいたので、会場内で体験できます。日本ライトハウス展 ~全国ロービジョンフェア2019~ - 日本ライトハウス情報文化センターhttp://www.lighthouse.or.jp/iccb/informations/nlt2019/タグを掲示する場所は当日にならないとわからないので、Twitterでお知らせする予定です。ハッシュタグ、#日本ライトハウス展で検索していただくか次のページで確認してみてください。nl10 @nl1079274495 Twitterhttps://twitter.com/nl1079274495また、当日の会場でアプリの使い方を尋ねられてもこたえられるスタッフはいないと思っておいてください。体験したいという方は事前に試しておいていただくことをお勧めします。カメラでタグを認識させるためにバッテリーを早く消費させてしまう特徴があるので、バッテリーの残量管理にはお気をつけください。ところで、パブリック利用のタグはだれでも読み取ることができるようになっているわけですが、個人向けのタグはそのユーザだけが使えるようになっています。リクエストするとタグの書かれたPDFが添付されたメールが届きます。それを印刷して利用します。それらのタグにはテキストで内容を書き込めるようになっています。どんな使い方ができるのか。たとえばA4サイズのタグの書かれた紙を家のドアに張り付けておけば、離れた場所からそのドアを見つけることができるようになるので、近所で迷子になる心配はなくなるかもしれません。小さなサイズのタグはA4サイズを64当分した大きさですが、物の管理をする目的でも利用できることでしょう。iOSでは物の管理ができるアプリとして「ものタグ」や「これなにメモ」がありますが、それらとはまた別の使い方ができそうなNaviLensはおもしろい存在になると思います。NaviLens EMPOWERING the visually impaired4https://www.navilens.com/iOS版の使い方を紹介します。おそらくAndroid版でも同じようなものだと思います。1. まず最初に起動すると、カメラへのアクセスと、位置情報へのアクセスを許可するメッセージが表示されます。2. 利用規約が表示されます。チェックボックスをオンにすると、「持続する「ボタンを実行できるようになります。3. クイックスタートメニューが表示されます。アプリのトップ画面を表示させるには「バック」ボタンを実行します。これで読み取り可能になります。うまく読み取りが始まらない場合は「読む」ボタンを実行するか、一度アプリを終了させてから再起動してみてください。個人利用のタグを入手するには、クイックスタートメニューを表示させて「リクエストタグ」ボタンを実行します。すると、ブラウザが起動します。名前とメールアドレスを入力して送信すると、七つのPDFファイルが添付されたメールが届きます。メール本文は英語です。一つのPDFファイルはユーザマニュアルで、残り六つがNaviLensの専用タグとなっており、印刷して使います。大きなサイズはA4用紙1枚のタグ、小さなサイズはA4サイズを64に切り分けるようになっています。タグの読み取り方法ですが、トップ画面の状態でカメラをタグに向けるだけの操作です。カチッカチというクリック音が聞こえたら、タグを認識しています。タグに記録されている情報を読み上げさせるには、本体をシェイクします。内容は画面の上部、ステータスバーの下辺りにテキストで表示されます。画面の下半分で4本指のシングルタップを行うと、VoiceOverカーソルは読み取った箇所に移動します。個人向けのタグの場合は、読み取った内容の箇所を実行すると、メモの編集ができるようになっています。登録するには「個人メモ」ボタンを実行してテキスト入力、そのあとで「承認」ボタンを実行します。
品川です。NaviLensはVoiceOverがオフの環境でも音声読み上げしてくれます。ところで、NaviLensのタグを利用した屋内ナビゲーションですが、これは視覚に障害のないユーザにとっても便利であるということで、もう一つのアプリがリリースされています。晴眼者向けのアプリとなります。「NaviLens GO」をApp Storeでhttps://apps.apple.com/jp/app/navilens-go/id1313878412NaviLens GO - Google Play のアプリhttps://play.google.com/store/apps/details?id=com.neosistec.navilensgo&hl=jaこのようなタグが町中に貼られていると、たとえば外国語で情報提供する目的でも有用なわけです。また、バス停に貼られたタグを読み取れば、そのバス停の名前を確認できるだけでなく、次にどこ行きのバスがやってくるのかという情報も提供されているようです。はたしてスケジュールに遅れがあった場合にちゃんと対応できているのかは不明ではありますが。元々は視覚障碍者向けに開発されたアプリやシステムのようですが、見えている人向けにも活用されるというのは効率的で理想的だと感じます。屋内ナビゲーションをビーコンを利用して実現しようとする動きは昔からありますが、NaviLensのようなタグを利用したシステムはコストを低く抑えることができ、ビーコンを稼働させるための電池寿命について考える必要もないので、EUではこれからどこまで普及していくのか注目しています。NaviLensのタグは博物館でも採用されているということですが、どのような目的で使われているのか興味があります。たとえば、それぞれの展示物の箇所に掲示されていれば、容易くその情報を知ることができそうです。また、展示品の内容が変更になった場合でも、情報の書き換えには柔軟に対応できるでしょうし。屋内ナビゲーションとは関係のない話ですが、NFCタグを利用して物の管理をするアプリ「WayAround」というのがアメリカの開発者からリリースされています。これまでは個人利用を目的に展開されていましたが、パブリック利用を始めるそうで、ミュージアムでも展開されていくそうです。タグを利用した情報提供という手段、新しいビジネスモデルになっていくのだろうと思います。2025年、大阪万博が開催されますが、もしかすると会場にはNaviLensのカラフルなタグやWayAroundのNFCタグを見かけることが当たり前になっているかもしれません。ぜひそうなっていてほしいものではあります。いやいや、ものタグがマーケットを席捲しているかもしれませんね。