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[25日 ロイター] - 米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は25日、ロンドンで米経済について講演し、リスクが存在するため現在「様子見」に回っているが、米経済は力強く、「最大で」今年1回の利上げは依然として合理的だとの認識を示した。ハーカー総裁は、今年は連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持たないが、来年は投票権を持つ

 3月25日、米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は25日、米経済は力強く、「最大で」今年1回の利上げは依然として合理的だとの認識を示した。写真はワシントンのFRB本部。昨年8月撮影(2019年 ロイター/Leah Millis)

経済成長は力強く、見通しも良好なため、今年1回、来年1回の利上げが議論される可能性があるとしている。

連邦準備理事会(FRB)が、バランスシートに保有する債券の種類を「近い将来に抜本的に変える」ことはないとも述べた。

前週、FOMCは、景気減速の兆しがみられるとして、年内の利上げは想定しない姿勢を示した。

ハーカー総裁は、市場の金利見通しに縛られてはいない、とし、利上げの機が熟したと判断するためには、インフレ率が一定期間目標を上回り、労働市場が一段と引き締まる必要があると述べた。

「われわれは、今後どのようなデータがでてくるか、様子見している」と述べ、金利は中立水準から依然1─2回の利上げ分乖離(かいり)しているとの認識を示した。

また「政策スタンスに関し、身動きがとれないとか、懸念されるといった意識はない」と述べた。

総裁は、インフレが「若干下向き」で、企業の信頼感は低下したとして、リスクは「非常に若干ながら下向き」に傾いており、2015年以降、9回利上げしたFRBが政策金利を維持したことを裏付けていると指摘。

「最大で今年1回、2020年に1回の利上げが適切というのが現在の見解で、スタンスは今後出てくるデータやイベント次第となる」と述べた。

景気後退の前兆とされる長短金利の逆転は自身の見方に影響を及ぼす要因とし「避けられるのなら避けるべき」と述べた。

<バランスシートでは中立、柔軟姿勢>

前週のFOMCは、バランスシートの縮小ペースを徐々に落とし9月に終了すると表明した。ただ、FRBがどの債券を長期的に保有したいのかなどは不透明だった。

FRBは、金融危機への対応でモーゲージ債も買い入れているが、ハーカー総裁によると、保有債券を再び米国債主体にすることは「しばらく」ない見通し。ただ、ハーカー総裁は、FRBはいずれは中立の効果を持つ債券を保有し、金利がゼロ近くに低下し経済が刺激策を必要としている場合に再び債券買い入れを実施する柔軟性の確保を目指すべきとも指摘。そのために、FRBは特定の債券や入札で市場を独占するようなことは避けるべきと述べた。

さらに、米国債市場やFRBは、1年かそれ未満に償還を迎える債券を購入し、長めの債券を購入する柔軟性を確保することを望むとみられ、FRBはさまざまな債券を同一割合保有する可能性があるとした。

トランプ米大統領が、パウエル議長体制に批判的な保守系経済コメンテーター、スティーブン・ムーア氏をFRB理事に指名したことについて問われたハーカー総裁は、FRBの独立性が危機に瀕しているとは思わないと述べた。

総裁は、FOMCに参加する地区連銀総裁は「非常に安定した力」で、大統領が指名する理事とのバランスをとる存在だとし「われわれは、大統領のご機嫌をとるようなことはしない」と述べた。

ムーア氏の理事としての資質については、コメントを差し控えた。

*内容を追加しました。



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