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「台湾史上最大のスパイ事件」と呼ばれる「張哲平事件」が最近、台湾メディアをにぎわしている。張哲平氏は昨年6月まで国防部(国防省に相当)のナンバー3である副部長(国防次官)を務めた空軍上将。中国側のスパイと接触し、機密情報を漏らした疑いがあるとして、昨年夏以降、台湾の情報機関と治安当局の捜査対象となっていた。
台北地方検察署(地検)は28日までに、この事件にかかわったとして、張氏の元部下で台湾空軍の退役少将、銭耀棟被告と、陸軍の退役中佐、魏先儀被告の2人を国家安全法違反の罪で起訴した。
両被告は中国側の工作員に張氏を紹介し、双方が同席する食事会を設けるなどした。今のところ台湾の機密情報が中国に渡ったことは確認されていないが、中国側の浸透工作が軍首脳にまで及んでいたことが明らかになり、台湾社会に大きな衝撃を与えている。