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 阪神が6連勝。七回に森下翔太(中大)の適時打で同点とし、木浪の犠飛で勝ち越した。先発桐敷はプロ初勝利。巨人は横川の好投に報いることができなかった。

6回無失点と好投した先発の横川(26日)=枡田直也撮影
6回無失点と好投した先発の横川(26日)=枡田直也撮影

 緊迫した投手戦の中、巨人ベンチは七回に決断を下した。それまで散発3安打で無失点、投球数80の先発・横川を交代させ、継投で逃げ切りを図った。しかし、中継ぎ陣が粘りきれなかった。

7回1死1、2塁、森下に同点打を許した鈴木康と捕手の大城卓=枡田直也撮影
7回1死1、2塁、森下に同点打を許した鈴木康と捕手の大城卓=枡田直也撮影

 2番手は、広岡との交換トレードでオリックスから17日に加入した鈴木康。持ち味の150キロ台の直球で強気に攻めたが、一死から大山に死球を与え、さらに佐藤輝の左前打でピンチを招くと、反撃ムードに沸く甲子園の雰囲気にのまれていく。続く新人の森下に同点打を浴び、梅野の左前打で一死満塁としたところで降板。3番手の高梨が、木浪に勝ち越しの左犠飛を許した。

 阿波野投手チーフコーチは横川について「余力はあった」と説明。一方、これまでの傾向を分析し、相手打線の3巡目で崩れていたことを考慮しての判断だったと明かした。先発ローテーションの一角として奮闘する22歳の好投を、ブルペンの総力で勝利に結びつけたいところだったが、連勝中の勢いに乗る首位・阪神は甘くはなかった。

 移籍後初失点で敗戦投手となった鈴木康は「パ・リーグにはない独特の応援で、のみ込まれた感じがあった。本当に自分の実力不足」と責任を背負い込んだ。試合前時点で、巨人のリリーフ防御率4・75はリーグワースト。ただ、実績のある中川らが故障から復帰し、加入した鈴木康が2ホールドを挙げるなど、明るい材料もある。

 「やられたら、やり返すしかない」と鈴木康は前を向いた。接戦をものにしていくために、中継ぎ陣にはさらなる奮起が求められている。(宮地語)