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28日、ドイツ南部エルマウで、G7サミットを終え、記者会見するショルツ独首相=ロイター
28日、ドイツ南部エルマウで、G7サミットを終え、記者会見するショルツ独首相=ロイター

 【エルマウ(ドイツ南部)=中西賢司、ミュンヘン=池田晋一】ドイツ南部エルマウでの先進7か国首脳会議(G7サミット)は28日昼(日本時間28日夜)、ロシアによるウクライナ侵略で生じた世界的な食料危機に対応する発展途上国支援などを盛り込んだ首脳声明を発表し、閉幕した。G7各国で協調し、途上国などに総額45億ドル(約6100億円)の支援を行う。

 G7サミットには、岸田首相と米国のバイデン大統領らが参加した。26日から3日間の議論を反映した首脳声明は、ロシアのウクライナ侵略を「不法で不当な侵略戦争」と非難した。ロシア軍がウクライナ産穀物の輸出ルートの黒海を封鎖していることを「穀物の兵器化」と位置づけた。

 ウクライナの港湾封鎖などで穀物輸送を阻むロシアに対し、声明は「輸出を妨げる全ての行為を無条件に終えるよう、改めて表明する」と強調した。G7の対露制裁が食料価格上昇につながっているとするロシアの主張には、「制裁は食料を標的としていない」と反論した。

 対露制裁では「前例のない措置」を続けていく方針を示した。新たな制裁として、ロシア産石油の取引価格に上限を設ける枠組みの検討を打ち出したが、具体策を明確にすることはできなかった。

 G7各国の関係閣僚は今後、他国や民間企業と協議し、制度設計を進める。合意した価格を上回る取引の場合、輸送に必要なサービスを禁止することなどが想定される。船舶保険などを念頭に置いており、ロシア産石油の輸入を増やす中国やインドが枠組みに入るかは不透明で、実効性に疑問符もつく。

 エネルギーに次ぐ輸出品である金の禁輸でも合意した。金の保有を増やしたとみられるロシアの富裕層に打撃を与える狙いだ。

 中国の経済政策については、「世界経済をゆがめる市場経済に反する政策や慣行に対し、協調して対応する」とした。国有企業への不公正な補助金などが念頭にあるとみられ、「不透明な慣行がある」とも批判した。

 中国が進出する東・南シナ海の現状には「深刻な懸念」を示し、「自由で開かれたインド太平洋」の重要性を強調した。緊張が高まる台湾海峡問題では、平和的な解決を促した。