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【ニューヨーク=金子靖志】国連は18日、黒海経由でのウクライナ産穀物の輸出に関するウクライナとロシア、仲介役の国連とトルコの4者による合意の延長が決まったと発表した。合意は18日が期限だった。延長期間について、ロシア側は120日間だった前回の半分の60日間を主張し、合意できなかった。

4者合意は、ウクライナ産穀物の輸出停滞の解消を図るために昨年7月に結ばれ、昨年11月には120日間、延長された。
国連のアントニオ・グテレス事務総長の報道官は18日、合意について「世界の食料価格引き下げと市場の安定に貢献してきた」と述べ、延長決定の意義を強調した。国連は発表で延長期間に触れていない。国連外交筋は「期間をめぐる交渉が長引く可能性がある」と指摘した。
ウクライナのオレクサンドル・クブラコフ副首相兼インフラ相は、延長期間について「120日間」とSNSで明らかにした。ロシアの在ジュネーブ代表部は「ロシアが合意したのは120日ではなく、5月18日までの60日間延長」と発表した。
ロシアは米欧主導の制裁により、自国産の穀物や肥料の輸出が制限されていると主張している。異議を唱えることで、米欧の譲歩を求めているとみられる。
