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 神奈川県の大学職員、長澤俊郎(ながさわ・としお)さん(60)は海外でサーフィンをしていて、足を切るけがをしました。小さな傷でしたが、3日後、患部は熱を持っていました。その後、「敗血症」と診断され、入院生活が始まります。

足に傷、3日後に腫れ

 青く透き通る海は、どこまでも続いていた。長澤さんは2017年3月、休暇を使い、サーフィン仲間8人と南太平洋の島を訪れていた。

 沖を漂っていたときのことだ。待ちかねた「うねり」が押し寄せた。愛用のサーフボードで波に乗ろうとした瞬間、「ゴツン」とボードを打つ音とともに、左足首に痛みが走った。

 波打ち際に大小様々なサンゴのかけらが無数にあって、波に巻かれているのを見た記憶があった。「サンゴのかけらにぶつかったんだ」と思った。

 16歳でサーフィンを始めた。体を岩で切ったり、小さなウニを踏んづけたり。サーフィン中にけがをすることは、過去にもあった。

 今回の南太平洋の島では、左の足首と甲に小さな傷ができた。大したことはないと思いつつ、用心のため日本から持ってきた消毒液をつけ、ばんそうこうをはった。

拡大する写真・図版南太平洋の島に旅行し、サーフィンをする長澤俊郎さん(本人提供)

 3日後。帰国のために現地の空港に着くと、左足の甲が腫れあがり、スニーカーが窮屈になっているのに気付いた。痛みはなかったが、熱をもっていた。

 機内で乗務員に相談すると、空いていた窓側の3席を使わせてもらうことができた。「足を伸ばして安静にしたほうがいい」と言われた。

 一緒に旅行していた仲間の1人、看護師の女性もぐったりした様子だった。「私も横になりたい」。女性もサーフィン中、サンゴでひざを切るけがをしていた。いったい体がどうなっているのか――。日本に着くまで数時間。横たわりながら、機内で不安なときを過ごした。

 成田空港に到着し、近くの救急病院に電話してみたが、「簡単な処置しかできない」と言われた。女性は「勤務する神奈川県内の病院で診てもらいたい」と言った。長澤さんの自宅も同じ方向だった。空港の近くに駐車していた自身の車に女性を乗せ、病院へと深夜の高速道路を走り始めた。

 平日は大学病院で医師の研究をサポートする仕事をし、休日は仲間とサーフィンなどの趣味を楽しむ。そんな生活が一変するとは、思ってもいなかった。



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