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 東京電力福島第一原発事故をめぐり、福島県田村市発注の除染関連事業を受注した業者が市に匿名で多額の寄付をしている。朝日新聞が入手した市の内部資料では、寄付額は2018?19年度に少なくとも16社から1億6820万円にのぼる。市議会では、除染のための国の予算が業者を通じて市へ回っていると指摘されている。

 田村市は第一原発から十数キロ?四十数キロ圏にあり、20キロ圏内には一時避難指示が出た。国の予算を使う市発注の除染関連事業が市内で行われてきたが、朝日新聞が入手した市の内部資料によると、18?19年度に事業を受注した少なくとも16社が、18?19年度にそれぞれ50万?2500万円、計1億6820万円を寄付したことになっている。これらは寄付者が公表されない「匿名寄付」で、市は寄付者や金額の詳細は明らかにしていない。

 今年3月の市議会では、この匿名寄付について、市議から「復興予算を回しに回して市が頂いた」ものとの指摘が出ていた。市側は「市の発展を思い善意で寄付したと認識している」などと答弁していた。

 寄付をした業者に取材したところ、業界内では市長を後援している建設会社の幹部らから寄付の働きかけが断続的に行われていた。

 市が担う除染関連事業の中には、仮置き場にある土や草などの除染廃棄物を新たな袋に詰め替えて、大型車両が横付けできる「積み込み場」まで運ぶ「端末輸送」がある。費用の元手は国の補助金で、県の基金を経由して市に入る交付金があてられている。寄付をした16社はいずれもこの端末輸送を受注しており、受注総額は約50億円。

 18年6月ごろにあった市内のある地域の建設業組合の総会出席者によると、組合の当時の幹部から、端末輸送について「落札額の5%を市に寄付して欲しい。市の財政をよくしたい」との求めがあったという。

端末輸送の予算が市に回っていると指摘されていることについて、本田仁一市長は取材に「国の予算に基づく事業で県の積算基準に従って執行しており、そうとは受け止めていない」と答えています。記事の後半では、市長の説明のほか、匿名寄付の実態を紹介し、「粗利益は受注額の半分ほど」とも言われる端末輸送のもうけのからくりについて、さらに迫ります。

 また、1千万円以上を寄付した…



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