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 韓国と北朝鮮は断絶していた南北間の通信連絡線を復旧させることを決め、27日午前10時に通話を行った。韓国大統領府が同日発表し、北朝鮮朝鮮中央通信もほぼ同じ時刻に報じた。北朝鮮は2020年6月に連絡線を遮断した後、開城にある南北共同連絡事務所を爆破した。

 大統領府によると、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮金正恩(キムジョンウン)総書記は4月から数回にわたって親書を交換し、南北関係の改善について意見を交わしてきた。このなかで、まずは途絶えていた連絡線の復旧に合意したという。両首脳は一日も早く南北の信頼を回復し、関係を再び進展させることでも意見が一致したとしている。大統領府は「通信線の復旧が今後、前向きな南北関係の改善と発展につながることを期待する」とした。

 朝鮮中央通信は「北南の首脳は最近、数回にわたって交わした親書を通じ、断絶していた通信連絡通路を復旧することで、相互の信頼を回復し、和解を導く大きな一歩を踏み出すことに合意した」と報道。首脳間の合意に基づいて同日午前10時に連絡線を再開させたとし「前向きな北南関係の改善と発展につながることになるだろう」とした。

 韓国国防省も同日、両首脳の合意に基づいて南北の軍事当局が通信線を復旧させ、正常化したと発表した。この日の午後から、定期的な通話を始めるという。国防省は「様々な連絡が可能になり、軍事的な緊張の緩和に寄与すると期待している」としている。

 韓国大統領府に近い関係者によると、文氏は朝鮮半島が日本の植民地支配から解放された8月15日に向けて、南北関係で何らかの成果を出すことを検討してきた。韓国統一省高官は「南北の親書の交換をきっかけに、南北や米朝の対話につながる可能性は高い」と今後の前向きな動きに期待する。

 北朝鮮では猛暑で干ばつが起こるなど食糧事情はさらに厳しくなっている。通信線の復旧は、韓国側から人道支援などを受けるための北朝鮮の地ならしとの見方がある。一方、北朝鮮の内情に詳しい関係者は「北朝鮮は今後、8月に予定される米韓合同訓練の中断など、さらなる要求をする可能性もある」とみる。(ソウル=神谷毅)



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