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 2月3日?2月9日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。

 Apple Watchがスイス時計の出荷台数全体を上回ったという。毎回この比較を聞くと違和感の方が強いのだが、売上高では既にRolexを上回ったことが報じられてきたものの、出荷台数で上回ったのは初となる。

 Strategy Analyticsの推計によると、2019年に出荷されたApple Watchは合計3070万本で、2018年から36%増加した。一方のスイスの時計ブランドは2018年の2420万本から13%減少し、2019年の比較でApple Watchよりもスイスの時計ブランドの方が約1000万本少なかった。なお、AppleはApple Watchの出荷台数を公表していない。

 スイスの時計ブランドとしては、出荷台数は減少しているが出荷額は増加しており、高付加価値製品へのシフトが顕著となっていることが分かる。そのため、出荷本数の比較でApple Watchが逆転したことが、スイス時計の敗北ではなく、明確な役割の変化であると捉えた方が正確だろう。

 だからといってApple Watchが成功していないと見るのも間違いだ。

 毎年新モデルを登場させ、2019年にはLTPO有機ELディスプレイでの常時点灯を可能とした。現在、iPhoneと同様に、最新モデルのApple Watch Series 5と2年前のモデルであるSeries 3を併売しており、AppleによるとSeries 3は製造が追いついていないことによる販売機会損失が発生しているほどだ。

 新規購入者は75%に上り、AirPodsなどのワイヤレスオーディオを含めた「ウェアラブル」のカテゴリは年率44%の成長、Fortune 150企業の売上規模に匹敵しており、年間換算で売上高210億ドル規模、Tesla、Whirlpool、McDonald’s、Broadcom、Marriott、Visaなどと肩を並べる「部門」となった。

 iPhoneは総務省による規制で低迷を極める日本市場でも、ウェアラブル部門は他の地域以上の成長を見せており、日本でもApple Watchの好評さがうかがえる。

 普及が続いているApple Watchだが、現在も明確な「キラー」となる機能が確立されていないのも事実だ。当初からエクササイズにフォーカスして需要を開拓してきたが、現在は「なんとなく売れている」状況といってもよいだろう。

 今後、ヘルスケアや決済、セキュリティ、AIアシスタントなどの明確な機能性と、子育てや人のナビゲーション、コミュニケーションなど便利さがわかりやすいシーンを発見していく必要がある。

 その用途開拓のスピードが遅い原因は、Apple Watch向けのアプリの立ち上がりが遅い点だ。iPhone、iPadはこれまで、サードパーティアプリを作る開発者のアイディアによって、新しい用途や目的性が作られてきた。

 必ずしもApple自身がTwitterやInstagramなどのSNS、VenmoやSquareといった決済、LINEやWeChatといったメッセージサービスを作ってきたわけではないのだ。

 確かにAppleはエクササイズやヘルスケアなど、開発者が簡単にはできない研究に投資し、Apple Watchのアルゴリズムを作り上げている。しかしそれ以外、AppleがApple Watchに与えた爆発的なニーズはまだない。

 Appleは2019年6月のWWDCで、Swift向けに新しいデザインAPIである「SwiftUI」を提供し、アプリのコアを共通化して端末ごとのデザインを作り込める新しいアプリ開発ワークフローを実現した。

 またApp StoreもApple Watch向けに提供したことで、Apple Watch向けアプリが初心者にとって最も簡単に取り組める環境となった。そのことはあまり宣伝されていないようだが。2020年のWWDCで、Watch向けアプリをいかに盛り上げるか、注目だ。

「Apple Watch」出荷数、スイス製時計の合計を上回る(2/7)

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