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 履き心地のいい靴を履いたときや、ぴったり合う椅子に座ったとき、ノートPCのキーボードがしっくりくるときなど、時折湧き起こる感覚がある。心地よさだ。それが、新型「iPad Pro」でトラックパッドを試した最初の30分間、筆者が感じていたことだ。

 筆者はデスクに座り、トラックパッドを使いつつ、キーボードで文字を入力している。快適なサイズの12.9インチの画面を眺めながら。そうだ、これはコンピューターで作業するのと同じような感覚だ。

 Appleの「iPad」の諸問題が完全に解決されたとは言い難い。だが、iPadで実際にトラックパッドを使用するのは、筆者からすれば8年ほど遅れてやって来た魔法の瞬間だ。


 筆者は今、どこにも行けず、自宅をさまよっている。デバイスを複数使う代わりに、1つのApple製デバイスだけで自分のすべてのニーズを満たすことができれば素晴らしいのに、と思う。この新型iPad Proはそうしたデバイスに近づいているが、価格からすると贅沢な選択肢となるだろう。そして、本当のことを言えば、今すでに持っているiPadで、おそらく何も問題はないはずだ。

トラックパッドが真価を発揮する場面

 気に入ったのは、カーソル(筆者には少し大きすぎて丸っこいと感じる)をアプリのアイコンに近づけると、そのアイコンと同化することだ。タッチスクリーンとトラックパッドが融合したような感じで、直観的である。全体的な体験は、「iOS 13」のアクセシビリティーを重視したマウス操作よりもずっと豊かに感じられ、筆者のニーズにより適している。

 さらに気に入ったのは、複数の指を使った操作が筆者の身体感覚の期待どおりに機能することだ。3本指でアプリをスワイプして終了させる。2本指でスワイプして、アプリペインを切り替える。3本指で上にスワイプして、別の開いているアプリを選択する。3本指で左右にスワイプして、アプリを切り替える。タップをクリックにする設定もあるほか、iPadの画面を長押しすると表示される追加のメニュー項目を、2本指クリックで呼び出せる設定もある。これらの操作方法は理にかなっており、あえて言うと、筆者が仕事に使う場合は、iPadのタッチスクリーンよりも直観的だと感じた。

トラックパッドが不自然に感じられる場面

 筆者は、執筆した内容を編集する必要があるときに、トラックパッドを使用する。このレビュー記事は、新型iPad Proで執筆した。ただし、iPadでトラックパッドを使用しての編集作業は、ノートブックのトラックパッドを使う場合と勝手が違うこともあった。クリックしてドラッグしても、テキストが選択されないことがあり、その代わりにカーソルがドラッグされることがあった。このようなちょっとした問題から、トラックパッドの体験にいら立ちを覚えた。簡単に解決できる問題のように思えるが、テキスト選択の挙動が今のままだと、作業のスピードを保つのが難しくなる。Appleはコアアプリをまもなくアップデートする予定で、そのアップデートによって、これらの問題の多くは解決されるかもしれない。

iPad Proでのテキスト選択の様子
テキストの選択はまだ完璧とはいえない
提供:Scott Stein/CNET


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