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日本武道館で全国アリーナツアーのファイナルを迎えた松任谷由実 Photo by 田中聖太郎
 シンガー・ソングライター松任谷由実(65)が16日、東京・日本武道館で全国アリーナツアー『松任谷由実 TIME MACHINE TOUR Traveling through 45years』(16会場40公演)のファイナルを迎えた。3時間以上にわたる壮大かつ極上のエンターテインメントショーでキャリア45年の時間旅行を終えたユーミンは、「今の私の夢は続けること」とさらなる意欲を見せ、昨年9月から8ヶ月におよぶロングランツアーの幕を下ろした。

【ライブ写真】象に乗って歓声に応えるユーミン

 ライブの舞台は遠い未来の遺跡発掘現場。ユーミンのタイムマシーンが発見されるところから始まった。45周年記念ベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』(昨年4月発売)を携え、昨年9月からスタートさせたツアーは当初29公演の予定だったが、大きな反響を呼び、追加公演が相次いで決定。平成最後のツアーとなるはずが、令和をまたいでのロングランとなった。

 過去に行われたツアーの名場面を現代風にアレンジして再現した豪華絢爛ショーの冒頭は、1994-95年『THE DANCING SUN TOUR』のオープニング衣装をモチーフにしたスパンコールの燕尾服にシルクハット、ワイドパンツ姿で登場。満員の観客に360度囲まれたセンターステージで、ピアノ弾き語りによる「ベルベット・イースター」からスタートした。

 続く「Happy Birthday to You ?ヴィーナスの誕生」では、79年『OLIVE TOUR』の東京・中野サンプラザ公演で本物の子象に乗って登場した伝説の名場面をオマージュ。40年の時を経て、ロポット象にまたがったユーミンがステージ下からせり上がりで登場すると大歓声。象は鼻や耳、足、しっぽなどが動き、間奏では「パオーン」と鳴く精巧さで観客のド肝を抜いた。

 「今回はベストアルバム発売に合わせたツアーだったので、45年間でやってきたショーをヒントに、それらを全く新しく組み立て直すという今までになかった試みをやってきました」と切り出したユーミンは「過去に私のライブをご覧になったことがある方は『これ、どっかで見たことがあるぞ』とか『懐かしい』とか思われるかもしれません。そして、初めてご覧になる方には、今までこういうライブをやってきたんだということを知っていただきたかったんです」と解説。「いろいろな私の時代、私の世界をどうぞ最後までごゆっくりお楽しみください」と呼びかけた。

 1970・1980・1990・2000・2010年代と、5つの年代でオリコン週間アルバムランキング1位を獲得した唯一のアーティスト。さらに、本ツアー開幕前の昨年5月には、デビュー40周年記念ベストアルバム『日本の恋と、ユーミンと。』(2012年)が発売から5年半をかけ、自身10作目となるアルバムミリオンを達成(女性アーティストならびにソロアーティスト歴代1位)もしており、ライブは名曲のオンパレード。また、「私のショーにとって、とっても大事な要素」という衣装も、過去に着用したものを現代風にアレンジし、白のノースリーブワンピース、オリエンタルな着物、カウガール、宇宙服、スリーピースのパンツスーツなど8変化で魅了した。

 とりわけ、82年『PEARL PIERCE』ツアー衣装のオマージュとして、オーバーサイズのカラフルなライダースジャケット、ソバージュヘアの“バブリー”ユーミンはインパクト大。「デザイナーの伊藤佐智子さんが作ってくれた通称“イカ服”の再現です。オリジナルは2つの服が1つに合体したような奇抜なもので、私は大好きでした」とにっこり。ソバージュを「ロン毛のパンチ(パーマ)」と称して笑いをさらうと、「ハートブレイク」では脚線美あらわに、くるくると連続ターンを見せるなどダンスでも魅せた。

 紗幕を巧みに使った映像演出やライティングも圧巻。「春よ、来い」では前出の『THE DANCING SUN TOUR』で登場したドラゴンが復活し、曲のエンディングでは円形ステージを360度囲む紗幕に投影されたドラゴンが空へ消えていく演出が加わった。「ダイアモンドダストが消えぬまに」では、ユーミンが海の底で幾千の泡に包まれたよう。『SHANGRILA』の空中アクトも復活。2003年『YUMING SPECTACLE SHANGRILA II』ツアーで披露されたエアリアルアクト(バンジー)をエアリアルティシューに変え、女性ダンサーたちが天井から吊るされた布を使った空中パフォーマンスを披露するなど、めくるめく展開で観客をくぎづけにした。

■尽きることのない情熱「まだまだこんなもんじゃ終わりませんよ!」

 本編を終えたユーミンに送られた拍手は途切れることなく、そのままアンコールを求める手拍子に変わった。マリンルックで再びステージに戻ってきたユーミンは45年のキャリアを振り返り「あっという間でした。45年前のライブもつい昨日のことのようです。今回はこんなショーにしてしまったから、これでもう引退かと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、言っておきますけど、まだまだこんなもんじゃ終わりませんよ!」とチャーミングに現役宣言。「これで終わりだと思ったら大間違い! まだまだ聴いてもらいたい作品がいっぱいあるし、見てほしいショーのアイデアもいっぱいあります。次のショーでお会いしましょう」と尽きることのない創作意欲と情熱を見せ、再会を約束した。

 ピアノ弾き語りで始まったライブは、武部聡志氏のピアノ1本による「ひこうき雲」でエンディング。スポットライトを浴びながら情感を込めて歌い上げ、手を振ってステージを後にしたが喝采は止まず、Wアンコールへと突入した。涙声で「幸せです! ありがとう」と感謝を伝えたユーミンは小さくガッツポーズ。そして、10代だったときの夢と、これから先の夢を語り始めた。

 「私は14歳の時に曲を書き始めて、16歳のときに『ひこうき雲』ができました。そして18歳のときに1stアルバム『ひこうき雲』を出せることになって。歌に自信がなかったから歌いたくなかったんだけれど、周りの大人たちに『君の曲は自分で歌わないと雰囲気出ないよ』って言われて、嫌々シンガー・ソングライターになったんです」と告白。しかし、ソングライターとしては「いつの日か誰もが知っている曲を作れたらいいなって夢見ていたんです」とも語った。

 自信がない歌ではなく、ショーに注目が行くようにと「ショーアップに走った」というユーミンは「いろんなスタイルのライブに挑戦しました。ツアーはアルバムと連動しているので、何よりオリジナルアルバムをいっぱい作れたのが誇りです。38枚作ってきました」と胸を張った。そして「ふと気づいたら、近年『あぁ、みんな知っていてくれているかもしれない、私の歌』ってやっと思えるようになったの。10代のときの夢がかなったわけで」と喜びをかみしめると、「今の私の夢は続けること」と60代の夢を打ち明けた。

 割れんばかりの拍手が沸き起こると、感極まって言葉を詰まらせつつも「ずっと続けたいです」と声を振り絞り、「こんなにすばらしいアンコールをもらえて何を言ったらいいかわからないけど、よかったら一緒に歌ってください」と呼びかけ、ラストナンバーは「やさしさに包まれたなら」。観客にマイクを向けると大合唱となり、武道館のど真ん中でやさしさに包まれたユーミンは、全身に浴びた大歓声を両腕でギュッと抱きしめた。

 そして、ファイナル公演では鳴り止まない1万3000人の大歓声に応え、3度目のアンコールのステージへ。ユーミンは「私のタイムマシーンに一番長く乗っている人を紹介します!」と、PA卓にいた音楽プロデューサー/演出家で夫の松任谷正隆氏を呼んだ。正隆氏のピアノ伴奏で「卒業写真」を披露し、夫婦共演で45年間のタイムトラベルの幕を下ろした。

■『松任谷由実 TIME MACHINE TOUR Traveling through 45years』最終公演セットリスト
01. ベルベット・イースター
02. Happy Birthday to You ?ヴィーナスの誕生
03. 砂の惑星
04. WANDERERS
05. ダンデライオン ?遅咲きのたんぽぽ
06. 守ってあげたい
07. Hello,my friend
08. かんらん車
09. 輪舞曲
10. 夕涼み
11. 春よ、来い
12. Cowgirl Blues
13. もう愛は始まらない
14. Carry on
15. セシルの週末
16. ハートブレイク
17. 結婚ルーレット
18. 月曜日のロボット
19. ダイアモンドダストが消えぬまに
20. 不思議な体験
21. Nobody Else
22. ESPER
23. COBALT HOUR
24. 宇宙図書館
【アンコール】
25. カンナ8号線
26. DESTINY
27. ひこうき雲
【Wアンコール】
28. やさしさに包まれたなら
【トリプルアンコール】
29. 卒業写真

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