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首相官邸に入る菅義偉首相=首相官邸で2020年9月16日午後2時58分、宮武祐希撮影

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 自民党の菅義偉総裁が16日、第99代首相に選出された。日本での7年8カ月ぶりの首相交代は、中国でも強い関心を持って報じられている。菅氏が2世議員ではないことから「庶民首相」と呼ぶ報道も少なくない。

 中国側にとっての最大の関心事は、米中対立が激しさを増す中で、日本の新政権がどのような立ち位置を取るかだ。日米同盟を強化しつつ、日中関係を改善させた安倍前政権の対中政策については、中国では「うまくバランスを取ってきた」(中国の日本専門家)と評価する見方が定着。安倍前政権下で実務を担った菅氏も、同じ路線を取ることへの期待が強い。

 中国外務省の汪文斌(おうぶんひん)副報道局長は16日の定例記者会見で「菅首相が、中国など隣国との安定した外交関係を構築する必要があると繰り返し表明していることを、中国政府としても称賛している」と述べた。【北京・米村耕一】

韓国「会って話し合う用意ができている」

 韓国の文在寅(ムンジェイン)政権は16日、菅内閣発足を祝うとともに、「いつでも会って話し合う用意ができている」と日韓関係改善を呼びかける書簡を送った。青瓦台(大統領府)の報道官は「新政権の積極的な対応を期待している」と表明。「歴史問題を賢く克服し、互恵的に実質的な協力を強化したい」とも述べ、安倍前政権の対韓強硬姿勢からの転換を期待していることをうかがわせた。

 韓国メディアは「安倍氏の弟、防衛相に」(KBS)、「半分が安倍閣僚」(韓国日報)などと報道し、安倍晋三前首相の親族起用や安倍前内閣の閣僚の横滑りが目立ったことに注目。安倍氏の実弟である岸信夫防衛相について、韓国メディアは「8月に靖国神社に参拝した極右」(朝鮮日報電子版)などと報じている。

 韓日議員連盟会長を務めた姜昌一(カンチャンイル)元国会議員は「菅氏は実務的な政治家として韓日関係改善のため交渉のテーブルに着く姿勢を示す可能性があるが、本質的には安倍前政権の継承なので根本的には変わらない」との見方を示した。【ソウル堀山明子】