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クルードラゴンに搭乗するため発射台に向かう星出彰彦宇宙飛行士=2021年4月23日(宇宙航空研究開発機構提供) 拡大
クルードラゴンに搭乗するため発射台に向かう星出彰彦宇宙飛行士=2021年4月23日(宇宙航空研究開発機構提供)

 米宇宙企業スペースXは米東部時間23日午前5時49分(日本時間午後6時49分)、星出彰彦飛行士(52)ら4人が搭乗する新型宇宙船「クルードラゴン」を、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げ、国際宇宙ステーション(ISS)へ向かう軌道投入に成功した。約1日後の日本時間24日夕方、ISSに到着する。星出さんの宇宙飛行は3回目で、約半年間滞在する予定のISSでは、若田光一飛行士(57)に続き日本人で2人目となる船長を務める。

 今回のクルードラゴンは昨年の有人試験飛行で使われた機体が再使用されたのが特徴だ。クルードラゴンの打ち上げに使われたロケット「ファルコン9」の1段目も、昨年11月の野口聡一飛行士(56)の打ち上げ時のものが回収・点検され使われた。民間企業が開発した有人宇宙船が再使用されるのは初めてで、有人宇宙輸送の低コスト化に向けた新たな取り組みとして注目される。

 星出さんは2008年に米スペースシャトルで、12年にはロシアのソユーズ宇宙船に乗ってISSと地球を往復しており、今回は3機種目の搭乗となった。再使用機体に乗ることについて、星出さんは打ち上げ前の取材時に「実際に人間を宇宙に連れて行き帰ってきた機体なので、不安はない。民間企業が開発・運用しているので、コストパフォーマンスを求めるのは当然だ」と話している。

打ち上げ前の、新型宇宙船クルードラゴンを搭載したファルコン9ロケット=米フロリダ州のケネディ宇宙センターで2021年4月23日(NASA/Joel Kowsky氏提供) 拡大
打ち上げ前の、新型宇宙船クルードラゴンを搭載したファルコン9ロケット=米フロリダ州のケネディ宇宙センターで2021年4月23日(NASA/Joel Kowsky氏提供)

 ISSに到着すると、滞在中の野口さんと合流。野口さんが地球帰還のためにISSを出発するまでの約4日間は、日本人宇宙飛行士の同時滞在となる。一方星出さんは半年間の滞在期間中、無重力状態で飛行士の尿から水をつくる装置のテストや、細胞がどのように重力を感知しているかを調べる実験などに取り組む。

 星出さんの他に米国人飛行士2人、フランス人飛行士1人も搭乗した。クルードラゴンは宇宙船としては画期的なタッチパネル式で、全自動でISSにドッキング(連結)できる。

 クルードラゴンは昨年5月に有人試験飛行に初成功。野口さんが搭乗した同年11月には初めて運用段階に移行し、今回は3回目の有人飛行となる。米航空宇宙局(NASA)は11年にスペースシャトルを引退させて以降、スペースXや米航空機大手ボーイングに出資し、有人宇宙船の開発を競わせてきた。ボーイングも今夏以降、新型宇宙船「スターライナー」でISSへの試験飛行に挑む。

 スペースXは02年にイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が設立した。マスク氏は、電気自動車メーカー「テスラ」のCEOも務めている。【池田知広、信田真由美】



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