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名古屋地裁=名古屋市中区で、川瀬慎一朗撮影 拡大
名古屋地裁=名古屋市中区で、川瀬慎一朗撮影

 大手回転ずしチェーン「かっぱ寿司」で店長を務めた男性が心臓疾患を発症したのは過重労働が原因だとして、国に労災と認めるよう求めた訴訟の判決が25日、名古屋地裁であった。五十嵐章裕裁判長は発症前の時間外労働が月100時間を超えていたと認めたが、「業務との因果関係は認められない」として原告側の請求を退けた。

 男性は樋上正さん。1997年に入社し、2011年2月から愛知県内の2カ所の店舗で店長や副店長を務めたが、12年11月に急性心不全を発症して入院。14年1月にも勤務中に心停止で意識不明の重体になり、22年12月に47歳で死去した。

 樋上さんには拡張型心筋症の持病があったが、症状は安定しており、原告側は長時間労働などによって重篤化したと訴えていた。

 判決は、心不全で入院した時の治療内容などを踏まえ、「労災の認定基準が対象とする重篤な心不全に至っていたとは認められない」と判断。発症前の残業は、従業員の証言や勤務記録を基に月平均100時間超と算定したが、長時間労働が症状の悪化に影響したかは不明だと結論付けた。

 原告側代理人を務める立野嘉英弁護士(大阪弁護士会)は「労災の認定基準を無視した判決だ」と批判。25日に四十九日の法要を終えた樋上さんの父政雄さん(76)=兵庫県=は「息子に良い報告をしたかったのに、残念でならない」と話し、控訴する意向を明らかにした。【山本康介】



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