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「雪どけ」が対立する国家や陣営の緊張緩和の意味で使われ始めたのは米ソ冷戦の構図が固まった1950年代という。70年前の独裁者スターリンの死後、ソ連の作家、エレンブルグが発表した小説「雪どけ」が発端だった。
スターリン時代の芸術家の悲劇を描き、変化をうかがわせた。新書記長に就任したフルシチョフへの期待も高まった。59年の訪米を頂点とする緊張緩和は「フルシチョフの雪どけ」と呼ばれた。
冷戦時代から米外交に関わってきたバイデン大統領には使い慣れた言葉だったのだろう。広島での主要7カ国(G7)首脳会議終了後の記者会見で米中関係の行方について「まもなく雪解けが始まると思う」と語った。