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今夏の慰霊演奏に向けオカリナの練習をする受講生ら=群馬県玉村町の勤労者センターで

 1985年の日航ジャンボ機墜落事故犠牲者の命日(8月12日)に、毎年、柔らかな音色で追悼し、遺族の心を癒やしてきた地元・群馬の音楽グループがある。しかし、高齢化によるメンバー減少や体力の低下で、標高1539メートルの墜落現場「御巣鷹の尾根」(群馬県上野村)で演奏できるメンバーが数人にまで減り、継承者を育成する取り組みが始まっている。

     御巣鷹での慰霊演奏は長年、同県高崎市内に拠点を持つ「高崎アコーディオンサークル」が中心的存在だった。事故2年後の87年から始まったが、重さ10キロを超えるアコーディオンを持ち、急勾配の山道を登るのが難しくなり、事故から30年たった2015年からは、ともに慰霊演奏を続けていた「アマービレ・オカリナ会」(同県藤岡市)が引き継ぐ形になっている。

     オカリナで追悼演奏してきた白石清さん(59)は、アコーディオンサークルのメンバーに誘われ、00年ごろから参加。その後、自身もオカリナ会を結成し、参加者を増やしてきたが、一時150人ほどいたメンバーも現在は70人程度に減り、平均年齢は70歳を超えた。深刻な状況を知った白石さんの知人が、自ら主宰する音楽教室の生徒らに声をかけ、1月から希望者に指導を始めた。

     今夏の演奏に初めて参加するという高崎市の外山正明さん(63)は「精いっぱい練習し、尾根では一番の演奏をしたい」と褐色のオカリナを握りしめる。白石さんは「尾根に登れるご遺族が1人になっても大勢でお迎えしたい」と話していた。参加希望者の連絡は白石さん(090・6179・2551)。【杉直樹】



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