ニュース本文


【ニューヨーク=斉藤雄太】カナダ銀行(中央銀行)は25日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を0.25%引き上げて4.5%にしたと発表した。利上げは8会合連続で、引き上げ幅は前回の0.5%から縮小した。声明文では、経済・物価情勢が現在の見通しに沿って進んだ場合は「政策金利を現在の水準で維持する」方針を明記。マックレム総裁は記者会見で、これまでの利上げによる物価抑制効果を見極める考えを示した。

カナダ国債の保有を減らす量的引き締めの継続も決めた。マックレム総裁は「いまは物価上昇率を2%の目標に戻すうえで、金融政策が十分に引き締め的かを評価する時間だ」と説明。「利上げ停止は条件付きのものだ」とも繰り返し強調し、インフレが想定より根強いと判断したら「金利をさらに引き上げる用意がある」と語った。「利下げについて話をするのは早すぎる」とも述べ、市場の緩みをけん制した。

カナダの消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は2022年6月の8.1%が直近ピークで、12月には6.3%まで伸びが鈍った。カナダ銀は「家計は食品価格や住居費の持続的な上昇でまだ苦難を感じている」としつつ、エネルギー価格の低下や供給網の制約の緩和、金利上昇による経済活動の減速で「23年のインフレは大幅に落ち着く」と指摘した。CPIの上昇率は年央に3%程度になり、24年には目標の2%に戻ると予測した。

一方、マックレム総裁は物価の上振れ要因として、労働需給の逼迫でサービス価格が高止まりする可能性を挙げたほか、中国の新型コロナウイルス対策の緩和と経済活動再開で「世界の商品価格に上昇リスクが生じる」とも指摘。利上げ再開の必要性を判断するうえでは「1つのデータや発表ではなく、インフレが予想より下がらないという証拠の積み重ね」がカギになるとの考えを示した。

カナダ中銀は20年3月に新型コロナ対応で政策金利を0.25%まで下げ、その水準を2年間維持してきた。景気回復やインフレ加速を踏まえて22年3月に利上げを始め、同年7月には通常の引き上げ幅の4倍となる1%の利上げを実施。その後は上げ幅を徐々に縮め、9月は0.75%、10月と12月は0.5%とした。

先進国の中銀では米連邦準備理事会(FRB)も22年12月、利上げ幅をそれまでの0.75%から0.5%に縮めた。1月31日〜2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%に縮小する公算が大きい。

米国やカナダでは政策金利が景気を十分に冷ます水準まで上がりつつあり、物価の上昇率も鈍っている。各中銀は利上げペースを緩めたり、一時停止で様子見したりしながら、インフレ退治と景気の過度な落ち込みの回避という微妙なバランスを取ろうとしている。



記事一覧 に戻る 最新ニュース読み比べ に戻る