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警察庁は6月末から、交通違反で取り締まりを受けた人がインターネットバンキングやATMを使って反則金を振り込める新制度の試行を始める。違反者はこれまで金融機関の窓口でしか納付できず、銀行などからも改善を求める声が上がっていた。県警単位でシステムが異なるといった事情や納付率の高さから遅れていたデジタル化がようやく動き出す。

24日からのパブリックコメント(意見募集)を経たうえで、反則金の納付方法などを定めた道路交通法施行令などの関係法令を改正する。6月28日から秋田、島根両県警で試行を始め、同日以降に両県警が取り締まる違反者が対象となる。

反則金はこれまで、取り締まりの際に受け取る納付書とともに金融機関の窓口で納める必要があり、土日祝日や夜間など営業時間外は納付できなかった。

新制度では、秋田、島根両県警本部が反則金専用の銀行口座を開設。違反者はこの口座にネットバンキングやATMで、氏名や交通反則告知書(青切符)に記載された番号を入力した上で振り込む。振り込まれた反則金は国庫金として両県警本部が日本銀行に納める。

違反者には取り締まりの際、この新制度を利用できることを伝える。振り込みは24時間可能で、振込手数料は違反者が負担する。従来の銀行窓口での納付方法も選択できるが、新制度の利用が広がれば金融機関側は窓口対応などの事務負担軽減が見込める。

一方で、警察では新たに口座への入金明細と違反記録を突き合わせる作業が発生するほか、誤納付への対応も課題となる。警察庁によると、今回試行する両県警が取り扱った2019年度の反則金の納付件数は5万5千件超に上る。

反則金の電子納付を巡っては、これまで全国銀行協会や複数の業界団体が早期実現を求める要望書を繰り返し警察庁に提出していた。規制見直しなどの意見を募る政府の「規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)」でも緩和を求める意見が出ていた。政権がデジタルへのシフトを進める中で、警察庁が検討を進めていた。

税金や社会保険料の支払いなどは、すでに電子決済による収納代行サービス「Pay-easy(ペイジー)」を利用した電子納付が可能になっている。反則金の取り組みが遅れていた背景には、各都道府県警がそれぞれのシステムで交通違反情報を管理しており、電子納付に対応させるための一律のシステム改修が難しかった事情がある。

全国の納付率も19年に98%超と高水準で推移し、納付方法を拡大する動機も乏しかった。

警察庁は「両県警での試行結果を踏まえ、課題を抽出しながら導入地域の拡大を検討する」としている。新方式に加え、クレジットカード払いやコンビニ窓口での納付、ペイジーの活用など、他の方法を導入するためのシステム開発も併せて検討する方針だ。



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