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どんなアマの投資家でもプロ顔負けの成績を残すことはできる。勝てない投資家はプロが持っていない「せっかくの武器」を使っていないかもしれない(写真:Rawpixel / PIXTA)

株式投資というのは「何を買うか」、「いつ買うか」そして「いつ売るか」といった判断の連続です。日経平均株価は、企業業績が総じて好調な割には足踏みが続いています。こんな時に「投資のプロは一体どう相場を考えるのだろう?」とか「ここから何をどうやって売買すればいいか」、といったことを知りたくなるのは当然です。

もちろんプロの投資家であるファンドマネージャーが売買する前に自分の手の内を公開することはありませんが、あわよくばここからの相場の動きとそれに対する対処の仕方を聞いてみたいという人は多いと思います。ところが、プロの運用者が必ずしも正しい投資判断をするとは限りません。実際にファンドマネージャーが運用するアクティブファンドでも、市場平均を下回る成績しか出せていない投資信託もたくさんあります。実は運用の世界では必ずしもアマはプロに勝てないというわけではないのです。

藤井四段は無理でも、ファンドマネージャーには勝てる

これが仮に将棋の世界ならどうでしょうか。最近話題の15歳のプロ棋士である藤井聡太四段。恐らくアマチュアでかなり上位にいる人でも彼と戦って勝てるということはまずあり得ないでしょう。

ところがサッカーや野球であれば、たまにアマのチームがプロに勝つこともあります。この理由は結果に対してどれぐらいの割合で「偶然」が左右するかというところにあります。これらの競技は団体で行い、かつ野外で行われるため風やグラウンドコンディションなど、さまざまな偶然の要素が影響するのに対して、将棋や囲碁の場合、本人の体調以外にはあまり偶然になる要素がありません。

では投資の世界はどうでしょう?これはかなりの部分が偶然に左右される世界です。もちろん投資対象に対する分析も重要であり、全てが偶然に支配されるというわけではありませんが、株式市場というものが多くの参加者の心理によって動く要素がなくならない限り、どこまで行っても偶然に左右されるということを避けることはできません。したがって必ずしもプロの運用には勝てないということはないのです。

私は過去40年間で何万人もの個人投資家を見てきましたが、別に職業的に投資をしているわけではない彼らが、投資信託などより、かなり上回る運用成績を上げているという例を数えきれないぐらい見てきました。


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