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見栄や無駄遣いで、おカネに詰まるタイプの人たちの多くは、派手な生活をしていることで共通しています。補給ルートを絶つことがこの人たちの、唯一の更生の道です。

普通、借金を申し込むのはとても心苦しいことのはずですが、このタイプの人たちは言い訳やウソが上手で、そのウソに自分自身も麻痺し、さほど恥も罪悪感もありません。土下座のようなことも平気でします。ですから補給ルートがある限り借金は膨らみ続けます。そして人間性が日に日にずるくなるのです。

いろいろな人から借金する名人がいる

70歳の私の知人は、プライドがないのかと問いたいほど、「いろいろな人から借金する名人」で評判でした。姻戚の遠縁など、一番申し込みにくい相手でもお構いなしです。収入が自分よりずっと少ない弟や妹も金ヅルでした。事業の回転資金だとか何とかいわれて同情し、数十年間、一番援助し続けたのがすぐ下の妹でした。

この妹にはまるでおカネを預けてあるかのように、おカネを巻きあげていたそうです。ところがこのままでは共倒れになると、あるときその妹が申し訳なさそうに、「もう貸せるおカネはなくなった」と言いました。この時点でこの妹の心はボロボロでした。

その頃には知人の評判も悪くなっていて、いくら借金名人でもほかで借りられるところはありません。その日から彼女の借金行脚は止まりました。その後も特に家族が路頭に迷うこともなく暮らしていますので、(中身はともかく)何とかなっているのでしょう。

特筆すべきは彼女の別の妹は豪邸住まいの富裕者ですが、最初から一切、おカネは貸すことはできないと姉に明言していたことです。この知人はどんなに困っても、最後までこの妹宅にだけは行かなかったとか。「自分のウソが通用する相手とそうでない相手」の見分けはできていたようです。

それで思い出すのは、元事業主だった男性です。


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