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木本:魚だけど一般の魚とは違う。サメだけで1つくくっていいくらいですね。

沼口:サメとエイが同じグループ〔板鰓類(ばんさいるい)といいます〕の軟骨魚類になります。

木本:エイも同じグループですか。(標本を見ながら)この歯は面白いですね。

シノノメサカタザメ、というエイの一種の上顎標本(撮影:尾形文繁)

沼口:これはシノノメサカタザメ、というエイの一種の上顎標本です。エイなのにサメというネーミング、確かにサメみたいにごつい魚体をしてるんですけど。

木本:ホホジロザメの歯とずいぶん形が違いますね。この歯の場合はどんな役割があるんですか。

食べ物によって歯型がまったく違う

沼口:食べ物によって違います。ホホジロザメは大きいアザラシや鯨を食べるのでナイフ状になっています。サカタザメはおそらくエビ・カニをすり潰して食べるから、そういう進化をしたんだと思います。

木本:虫歯になったら大変ですね。

沼口:サメの歯はどんどん生え替わるので大丈夫なんです。無数にできてきます。筋肉の上にのっていて、ベルトコンベアのようにちょっとずつ前に送り出す。それが死ぬまで続くんです。ある研究者によれば、計算上は7万本生え替わるそうです。

木本:コインゲームみたい。永久歯じゃなくて生え替わるのは面白いですね。

沼口:これは皆さんもよくご存じの、ネコザメです。

木本:いや、僕は知りませんでした。ネコザメのあごと歯も、変わってます。

沼口:この子は熱海、大島あたり多くて、ダイバーにも人気です。サザエ、ウニが好物で、貝殻ごとバリバリすりつぶして食べるから、人間の奥歯みたいに臼のようになってるんですね。

木本:前歯でかみながら、口の奥で本格的にすり潰すんですね。この歯も例によって、工場のラインというかベルトコンベヤーみたいになって、どんどん新しい歯が出てくる?


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