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さらに仏教で使われる樒(シキミ)という植物は、香りが強く、全株が有毒成分です。特に果実の中の果皮は、有毒成分が多く「悪しき実」と呼ばれ、そこからシキミと言われるようになったほど。シキミの有毒成分や香りが、死体の臭いを消し、墓地を外敵から守る意味で古くから樒はお供えに使用されてきましたから、香りや毒のある花はむしろ歓迎されていたのかもしれません。

そのほかに、注意したほうが良いのはトゲや花粉です。近年バラは供花として定番になっていますが、清掃員が枯れたバラを撤去する際にトゲでケガをしてしまうケースが多発しています。バラを供花するにしても、トゲの部分を取り除いてお供えするといった配慮が欲しいところです。

ユリなどについている大きな花粉は、墓石に落ちて放置されるとシミになってしまうため、あらかじめ取り除いておくか、カットしてからお供えすると良いでしょう。

お盆は正月と並ぶ日本の行事のひとつで、日本では7世紀頃から都に住む貴族たちの間で行われていたという記録があります。現代まで形を変えながら続いているお盆の行事。他の冠婚葬祭の慣習と同様、簡素化が進み、地域による特色が少しずつ失われつつあります。今後、またルールやマナーが変化していくかもしれません。

吉川 美津子 社会福祉士

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きっかわ みつこ / Mitsuko Kikkawa

葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタント。(一社)供養コンシェルジュ協会理事、(一社)葬送儀礼マナー普及協会理事。駿台トラベル&ホテル専門学校、上智社会福祉専門学校非常勤講師。大手葬祭業者、仏壇・墓石販売業者勤務を経て独立。コンサルティング業務のほか、葬送・終活関連の人材育成に携わっている。また福祉職として、介護・福祉と葬送・供養をつなぐ活動を行っている。『葬儀業界の動向とカラクリがよ?くわかる本』『お墓の大問題』『死後離婚』等著書多数。「吉川美津子のくらサポラジオ」(レインボータウンFM)毎週日曜日放送中。

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