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「リフォーム途中でも、すのこの下からムカデが出るとか、畳が腐ってたとかいろいろ問題が出てくるんです(笑)。でもどうやったら解決する?って子どもに聞いたら『作ってみる』って言ってくれた」(陽平さん)

二段ベッドが欲しいなら自分たちで作る。居心地の良い浴室が欲しいなら、床をはがして作る。トイレがゴキブリだらけ。だったらぶち壊して作り直そう。

大工さんの背中を見ながら、できることは自分たちも参加する。そうしていく中で、大工さんへの尊敬も生まれるし、自分たちが作っていく家への愛着もできてくる。自分が壁を塗ったトイレを掃除するのは、今も「トイレ大臣」の創咲くんの担当だ。

大事なのは会議をすることではない

実はリフォームは未完成で今もちょこちょこと手を入れているが、ここで暮らして4年。大会議から始まったわが家での暮らしを、佐藤家の全メンバーが愛着を持って大切にしている。

大分産の木材がびっしりと敷き詰められた部屋が完成!?自分で作ったからこそ、メンテナンスや掃除も「自分ごと」として積極的にかかわれる(写真:佐藤さん提供)

家族の中での話し合いなんて、堅苦しい、面倒くさい、と思う人もいるかもしれない。小学生の子どもならなおさらそうだろう。でも大事なのは会議をすることではなく、楽しい毎日を作ること、そして、可能性や希望を見いだすことだと陽平さんは言う。

「『会議』というと堅苦しく感じるかもしれませんが、とにかく、やりたいことや『今日1日どうする?』ということを出し合う。たとえば家事や段取りも、『お父さんもお母さんも仕事で忙しい。子どもらも宿題もあれば部活もあれば友達とも遊びたい。全部叶えるにはどうしたらいい?』ということを考える。そういうことをうちではずっとやってきました」(陽平さん)


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