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「祖父母との同居や近居は育児にいい」は本当か(写真:kohei_hara/iStock)

負担が軽減されるので、育児をするうえで、「祖父母との同居や近居はいい」という意見を最近耳にする。

内閣府の「家族と地域における子育てに関する意識調査」(2014年3月)でも、「子どもが小学校に入学するまでの間、祖父母が育児や家事の手助けをすることが望ましいと思うか」という質問に対して、78.7%が「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答しており、31.8%が「祖父母との近居を理想」、20.6%が「祖父母との同居を理想」と回答している。

また、育児中の母親の孤立を避けるため自治体も祖父母との同居・近居を促進しており、千葉県の白井市や神奈川県の厚木市、東京の新宿区などの自治体は、同居や近居する家族に対して引越し費用や改装費用などの補助金を出している。

メリットばかり目立つが、本当に「祖父母との同居や近居は育児にいい」と言えるのだろうか?

祖父母と同居のデメリット

実は、祖父母との同居にはデメリットも複数ある。

デメリット1?経済面での負担増加

祖父母と同居をすれば、家賃や光熱費、食費などが節約できる。しかし、同居することが全面的に得とは言えない。注意してほしいのが、国民健康保険料だ。

保険料は各市町村の財政状況によって決定されるため、財政が苦しい地方のほうが高くなる傾向がある。保険料が高い自治体の場合、以前よりも年間10万円以上負担が増えることもある。もし3世帯同居を始めた場合、祖父母の年収が加算されて保険料が上がる可能性もある。

さらに、子どもの保育料が高くなることも考えられる。認可保育園に支払う料金は「世帯で最も収入が高い人を基準に算定する」方法もある。そのため3世帯同居で祖父母の所得が自分よりも高ければ、保険料が割高になるケースもあるのだ。


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