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Jリーグに入会するにも苦難の連続だった。

「JFLに所属していた2009年と2010年に、ライセンスの問題から2年連続でJリーグへの入会を断念した時は会社も選手も特にきつかった」

選手は精一杯戦って結果を出してもライセンスの問題からJリーグに昇格できず、モチベーションを落とすこともあっただろう。

今後J1ライセンス取得のために天然芝の練習場やクラブハウス、スタジアムの整備が必要となる。これまでライセンス取得に苦労した経験も、サイバーエージェントの傘下に入った一因だろう。

また、当時クラブには限られた人数のスタッフしかおらず、大友は営業をはじめいろいろな業務を兼務していたという。

「正直、兼務の連続で今で言う超絶ブラック企業でしたが、サラリーマンに戻らなかったのは、Jリーグに行くためにみんな命かけてやっていたからです。みんな目指すところは一緒だったから抜けるという選択肢はなかったんです」

そんな苦難の連続のなか、ついにJ1が見えてくる位置までようやくたどり着いたゼルビア。育成から始まったチームであり、町クラブのまま進む道もあった。

町クラブがこれから目指す先

「町クラブでずっといられたらいいですが、今までも町田市に本社を構えるイーグル建創の下川社長(現クラブの会長兼務)が、クラブへの想いだけで無理をしながらも支えてくれていたんです。今回のサイバーエージェントの件は、その規模が大きくなったと考えています。

イーグル建創さんには地域リーグに所属していた時代に選手を雇用していただいたり、他の町田の数多くの企業さんからも多大なる協力をいただいてました。そういう方々の想いがあり、今につながっています。また、その想いやサポートはなくなったわけではなくて、今もそのままありますし、引き続きサポートをしてくれると言っていただいています。

クラブとして評価されるようになったのは、今まで関わってきていただいた方々の想いが結集した結果だと思いますし、サイバーエージェントのグループに入ったとはいえ、決して自分たちがお金持ちになったわけではないということを忘れてはいけません。

町クラブが終わってしまったという認識ではなくて、これまでにサポートいただいた方々とともにステップアップしていけているという認識です」

サイバーエージェントの藤田晋社長も、社長が現場には口を出さずに経営に専念しており、ゼルビアはガバナンスが効いた組織だと評価している。


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