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また、現時点での基準価額の高低と、得られる利益との関連性はありません。たとえば、「ニッセイ 日経225インデックスファンド」と「三井住友・日経225オープン」は、ともに日経平均株価への連動を目指す投資信託ですが、前者が2万4591円(2018年12月5日時点)、後者が1万9036円(2018年12月4日時点)とそれぞれの基準価額の水準は異なります。

しかし、両者の過去10年の年率平均リータンを見ると、「ニッセイ 日経225インデックスファンド」は11.54%、「三井住友・日経225オープン」は11.45%と、ほとんど変わりません(ベンチマークが同じインデックスファンドなので当然ですが)。

もう少し具体的に解説しましょう。ここに日経平均株価への連動を目指す投資信託が2つあるとします。仮に投資信託Aは1万口当たりの基準価額が1万円で、投資信託Bは5万円とします。これを10万円で購入すると、Aは10万口、Bは2万口をそれぞれ保有することになります。日経平均株価が10%値上がりして、それに合わせてAとBも10%値上がりした場合、基準価額はAが1万1000円、Bが5万5000円です。運用成績を単純計算すると、Aであれば1万1000円×10=11万円、Bであれば5万5000円×2=11万円となり、AとBともに保有口数に応じて得られる利益は1万円になることがわかります。

つまり、現在の基準価額は異なれど、同じ指数への連動を目指すそれぞれの投資信託から得られる利益には違いがないことがわかります。

基準価額だけでなく、純資産総額の推移を見ていく

現時点における基準価額の水準だけで、「割安・割高」の判断ができないのはこれまで説明したとおりです。では、何を見ればいいのでしょうか。見るべき点は大まかに3つあります。

まず1つ目が、過去からの推移です。過去からの推移を見て安定的に上昇しているかどうかを確認しましょう。過去3年以上の運用実績を確認して、基準価額だけでなく、純資産総額も安定的に増加していることが、よい投資信託の目安と言われています。

また、投資信託が設定された年の相場環境によっても、基準価額は異なることがあります。たとえば、日経平均株価は、リーマンショック直後の2009年前半には7000円台まで下落しましたが、そこから現在では2万2000円前後の水準にまで回復しています(2018年12月5日現在)。個別の商品を見ていくと、「SMT 日経225インデックス・オープン」はリーマンショック直後の2010年に設定された投資信託ですが、その後、日経平均株価の上昇とともに、現在の基準価額も設定当初の1万円から上記のように上昇しています。


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