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NTTテクノクロス株式会社?IoTイノベーション事業部 第一ビジネスユニットの冨田清次さん(左)と田中 久子さん(写真:Ledge.ai編集部)

農業や畜産業などの第一次産業の現場では就業人口の減少・高齢化が進み、社会問題となっています。養豚業も例外ではありません。

養豚業において、AIが解決する課題は「ブタの体重測定」です。ブタにデバイスをかざすだけで、AIが体重を推定、一頭あたり約3分かかる作業時間を約1分に軽減します。

本記事はLedge.ai(運営:レッジ)からの転載記事です。元記事はこちら

「ブタの体重測定? たった3分の作業?」と、本当にそれが課題なのか疑う方もいるかもしれませんが、体重管理が効率的な飼育と収益率アップのカギとなります。

ブタの体重推定サービス「デジタル目勘」開発の裏側をNTTテクノクロスのお二人に伺いました。

AI導入は課題ありき、深層学習をあえて使わない理由

さっそくブタの模型で「デジタル目勘」を実際に使わせていただきました。

専用の端末でブタを真上から撮影すると、ブタの体重が推定され、画面上に表示されます。それもたったの数秒で。

(写真:Ledge.ai編集部)

画像から、どのように立体物の重さを算出しているのでしょうか?

「体重推定には機械学習を使用しています。豚舎では電波が不安定なことも多いので、オフラインでの利用ができるよう、必要十分な技術で対応しました。

(写真:Ledge.ai編集部)

当初、ディープラーニングの導入も検討しましたが、膨大な演算処理が必要なため、機械学習を採用しています。

ディープラーニングを使わなくとも、機械学習と深度センサーの両方を用いることで、十分な精度の体重推定が実現しました。中の仕組みは企業秘密ですが……」(冨田さん)

やみくもに技術を投入するのではなく、畜産家の声にも耳を傾け、課題ありきのAI開発が徹底されています。

現場の課題に寄り添うのは、AI開発・導入において非常に重要な点であり、「デジタル目勘」はアナログな現場に先端テクノロジーが使われた好事例です。


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