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パワーカップルという言葉が話題になっています(写真:プラナ/PIXTA)

ネットで一気に拡散することを「バズる」、ネットで拡散するインパクトのある言葉を「パワーワード」と言いますが、2018年、共働きのお金の世界で話題になったパワーワードがあります。それは「パワーカップル」というものです。これが「次の世代の目指すべき稼ぎ方、暮らし方」の1つのビジョンになりうると思い、今回取り上げてみたいと思います。

パワーカップルの定義は複数ありますが、三菱総合研究所のレポートでは、「共働き夫婦で、夫600万円以上、妻400万円以上で合計1000万円以上の世帯収入がある夫婦」を設定しています。これは共働き世帯の約5%に相当するとしています。また、割合としてはあまり多くないものの、パワーカップルになれると、マネープランやライフスタイルは大きく変化してくるようです。

パワーカップルが夫婦ともに400万円以上の年収を確保しているということは、どちらもフルタイムの正社員で働いているということでしょう。正社員共働きは大変なことばかりのように思われますが、実は稼げるようになると、お金を使ってライフスタイルを省力化できるカードも選択できるようになります。経済的安定は心理的な余裕にもつながります。

ライフスタイルに合理性が生まれる

パワーカップルのユニークなところは、ライフスタイルに合理性が生まれているところです。これは年収が多いという経済的な余裕と、一方で共働き正社員の時間的制約の相乗効果から生まれるものと思われます。

三菱総合研究所のレポートではいくつかの特徴が紹介されています。たとえば次のような傾向が顕著であるそうです。

「自動掃除ロボット(ルンバなど)の保有割合が既婚者平均の2倍」……自動掃除ロボットは一見すると割高のように見えますが、家族が留守のうちに床掃除を完了させることができるので、家事の省力化と部屋の環境維持の両立が可能な家電です。購入を決断できるところがパワーカップルの合理性の高さがうかがえます。

「有料動画配信サービスの契約割合が既婚者平均の約1.6倍」……HuluやNetflix、Amazonプライム・ビデオなどスマホやタブレットでオンデマンド配信を視聴できるサービスは、空き時間の有効活用に便利であり、受け身のテレビ視聴を主体的なものに変えるツールです。そして従来型の有料衛星放送と比べて割安でもあります。

「カット野菜など下ごしらえ済み食材の利用傾向が既婚者平均の約1.6倍」……忙しい中、食事を作ることは共働き夫婦の大きな悩みです。カット野菜を手抜きと考えるような価値観には迎合せず、効率性を重視した選択ができるところに強みがあります。


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