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通勤者や通学者が毎日ごまかす場合には、たちまちのうちに巨額になることもあり、確かに抑止力にはなる。

しかし、たまにしか乗らない人がごまかすとしても、3回に1回ばれるリスクを負えばいいだけである。増運賃を加算しても単価数百円?1000円程度なら背負えるリスクともいえなくもない(金額的な観点だけだが)。

今では駅の無人化や省力化が進んでいる。改札口にバーのない入出場を記録するための簡易なICカードリーダーが設置されているだけの駅も増えている。その点では有人駅が多かった時代よりも、監視の目を盗みやすく少額の不正乗車がしやすくなっている面もある。

細かな不正乗車の可能性があっても、駅員を置いて人件費が発生するよりは大きい目で見ればマシという考え方も合理的ではある。しかし、それでは正規の運賃を払っている乗客の運賃支払いへの動機づけを低下させ、モラルハザードを生じかねない。

日本でも「信用乗車方式」登場

また、最近では日本でもいわゆる「信用乗車方式」が注目されている(広島電鉄などで採用が始まっている)。改札口もしくは列車の乗降時での乗車券確認を省力化する乗車方式である。

乗客が正当な乗車券を所持していて列車に乗車していることを前提とするものであるが、その裏返しとして正当な乗車券を持っていないことが判明した乗客には高額のペナルティを課すということがセットになることがある。

現状日本では明確に信用乗車方式とうたっていない路線でも、上記のとおり駅の省力化・無人化が進んでいる中で、半ば信用乗車方式が取り入れられた形になっているところも多い。

先に述べたとおりに、バーのない改札の入出場を記録するためのICカードリーダーが立っているだけの駅も増加している(ICカード利用区間から外れてワンマン運転が実施されていない区間では事実上フリーパスになる可能性がある)。入出場記録を乗客の自発的な行動に委ねている点で信用乗車方式と変わりがない。

また、JR東日本の在来線普通列車のグリーン車は天井にあるカードリーダーにICカードをタッチすることでグリーン料金を正当に支払っているかどうかの確認がされ、一部特急列車では座席上にあるランプで当該座席の指定済の有無が確認される。


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