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2018年度JRA賞授賞式。年度代表馬などに選ばれたアーモンドアイの関係者らと記念写真に納まる騎手大賞を受賞したクリストフ・ルメール騎手(前列右端)とシルクレーシングの米本昌史氏(前列右から3番目)、国枝栄調教師(前列右から4番目)(写真:共同通信社)

2018年の中央競馬が終わって1カ月余りが過ぎた。2018年度JRA賞の授賞式が1月28日に東京都内のホテルで行われた。年度代表馬はもちろんアーモンドアイ(牝4、美浦・国枝栄厩舎)。桜花賞、オークス、秋華賞を次元の違う強さで制して史上5頭目の3冠牝馬となり、ジャパンカップも驚異的な世界レコードで圧勝した。最優秀3歳牝馬に満票で選出され、年度代表馬も満票だった。

晴れの舞台で馬主のシルクレーシング・米本昌史代表(44)は2019年の初戦として「ドバイターフに挑戦します」と高らかに宣言した。3月30日にドバイ・メイダン競馬場で行われる芝1800mのG?は日本国内だけでなく、アーモンドアイが世界でベールを脱ぐレースとして海外からも大きな注目を集めるだろう。

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国枝栄調教師(63)は「ファンと同じような立場でアーモンドアイの挑戦を楽しみにしている」と余裕の笑顔を見せた。福島馬主協会所属のシルクレーシングは有馬記念を制したブラストワンピース(牡4、美浦・大竹正博厩舎)で最優秀3歳牡馬も受賞。

米本代表が「すごすぎてあっという間の1年だった」と振り返ったのも無理はない。シルクレーシングは昨年JRAGIを5勝した。さらに、最優秀4歳上牡馬を受賞したレイデオロ(牡5、美浦・藤沢和雄厩舎)を加えて3頭が福島県天栄村にあるノーザンファームの調教馬だった。

騎手の各部門を席巻したクリストフ・ルメール騎手(39)の横に登壇したのは最優秀障害騎手を受賞した会津若松市出身の五十嵐雄祐騎手(34)。福島県を拠点に活動する筆者としては実にうれしいセレモニーであった。

JRA賞の授賞式で今年の競馬の見どころがわかる

JRA賞の授賞式では顕彰馬も表彰される。昨年顕彰馬に選ばれたロードカナロアも表彰を受けた。アーモンドアイはロードカナロアの種牡馬としての初年度産駒だった。顕彰馬の表彰を受けた馬がその年の年度代表馬の父となったのは空前だろう。JRA賞の授賞式を取材すると昨年の競馬を振り返ることができるだけでなく、今年の競馬の見どころがわかるというのが毎年の実感だ。

やはり今年の最大の注目はアーモンドアイの海外挑戦だろう。最終的な目標は日本競馬界悲願の凱旋門賞制覇だ。連覇中のエネイブルとの対決は世界最強牝馬の座をかけた争いにもなる。アーモンドアイはジャパンCで124ポンドのレーティングを得た。ジャパンCではジェンティルドンナを上回る歴代牝馬最高の評価だ。

昨夏アーモンドアイを取材した時に国枝調教師とノーザンファーム天栄の木實谷雄太場長(38)が「ジェンティルドンナを超えたい」と目標を語ったが、レーティングでは同じように3歳で牝馬3冠とジャパンCを制して年度代表馬にもなった先輩を超えた。


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