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これから日経平均が再び2万4000円台に到達する可能性はあるのだろうか(撮影:尾形文繁)
2019年の株価はこれからどうなるのか。ただのアヤ戻しで終わるのか、それとも上昇トレンドへ回帰したのか。判断を誤ると、大やけどをする恐れがあるだけに難しいところだが、マーケットのプロたちは今の状況をどのように見ているのか。日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)が主催したパネルディスカッションから、相場の行方を探る(登壇者は吉野豊氏(SMBC日興証券株式調査部チーフテクニカルアナリスト)、藤原尚之氏(株式会社エフ・エリオット代表取締役)、古城鶴也氏(NTAA常務理事)の3人。司会はラジオNIKKEIの和島英樹解説委員が務めた)。

2018年からの下落はまだ続いている?

ーー2018年の相場を振り返ってください。

吉野豊(以下、吉野):今から約1年前に2018年を展望したときに申し上げたのが、「天気晴朗なれども波高し」でした。具体的に申し上げますと、年始まで過熱感があったので、2月くらいまでは調整局面。過熱感が和らげば、改めて上がり始めて、高値は夏場。8月から10月頃。NYダウで2万5000ドル、日経平均株価で2万7000円を予想していました。ただ、その頃になるとアメリカの金利が上がり始めて、秋以降は日米ともに大きく下げると見ていましたがほぼ想定どおりの展開でした。昨年はファンダメンタルズよりもテクニカルが有効だったと考えています。

藤原尚之(以下、藤原):RSI(相対力指数)で見ると、明らかにマーケットは弱気に転じていました。だから、私自身はそこからショートを振って、株価が下がったところで利益が得られるようなポジションを組んでいたのですが、10月くらいまで比較的強い展開になったため、だいぶ、踏み上げられました。エリオット波でいうと今はC波に入っています。C波はA波、B波に比べて長い下げトレンドになるのが、過去の経験則です。したがって今はまだ下げトレンドの中です。

古城鶴也(以下、古城):私はKチャートという、オリジナルのテクニカル分析を用いて相場を見ているのですが、昨年1月18日の段階で、少し相場に対して弱気になりました。で、同1月25日になると、株価は上昇しているのに出来高が減少傾向だったため、調整が近づいている可能性があると判断したところ、2月に入ってから大幅下落に転じました。また、同12月から2019年1月に向けていったん底を打つというシナリオを描いていましたが、これもほぼそのとおりの値動きになっています。とはいえ、2018年は非常に難しい相場だったのも事実です。


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