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2016年9月の来日時に記者会見するスポティファイのダニエル・エクCEO(撮影:風間仁一郎)

高成長を達成したとはいえ、株式市場の高い期待には届かなかった――。

世界最大の定額制音楽配信サービスを展開するスポティファイ・テクノロジーは2月6日、2018年12月期の決算を発表した。2018年4月に上場して以来、初の通期決算となる。2018年10?12月期は有料会員数の増加で売上高を伸ばし営業黒字も達成したものの、市場の期待には届かず、株価は同日に3%近く下落した。

10?12月期の売上高は前年同期比30%増の14億9500万ユーロ。月間アクティブユーザーは同29%増の2億0700万人で、会社が予想していた1億9900万人?2億0600万人を上回った。スポティファイは「ほとんどの市場で予想を上回った」としており、特に南アメリカなど新興地域の成長が牽引したようだ。11月には中東や北アフリカの13カ国でサービスを開始しており、展開地域は78カ国に広がっている。

収益柱の有料会員は36%増

スポティファイは広告が流れ、一部の機能が制限される無料会員と、広告なしですべての機能が使える有料会員の2つからなる「フリーミアム」と呼ばれるビジネスモデルが特徴だ。そのうち、収益柱である有料会員(日本では月額980円)は、前年同期比36%増の9600万人に拡大。グーグルのAIスピーカー「Google Home」とのキャンペーンなどが貢献した。有料会員による収入は同30%増の13億2000万ユーロと大きく伸ばしている。

家族向けプラン(同1480円で最大6人利用可能)と学生向けプラン(同480円)の成長によって解約率は低下したが、これらの割安プランが影響し、1ユーザー当たりの収益(ARPU)は4.89ユーロと同7%減少した。これは前述のように、新興地域などARPUが低い市場の成長率が高かったことも影響している。契約者の地域別の割合は北米が30%、南米が30%、欧州が40%、そのほかが10%となった。


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