ニュース本文


総合職の平均年収ランキングの1位はキーエンス。平均年収は2088万円と突出している(撮影:尾形文繁)

国税庁が公表した「平成29年分民間給与実態統計調査」によれば、平均給与は432万円と、前年より2.5%増となった。従業員が多い企業ほど平均給与が高く、5000人以上では507万円と、平均給与より17%ほど高い。

『就職四季報』特設サイトはこちら

就活生は初任給に目が行きがちだ。しかし、その後の昇給額などは会社によって異なるため、給料の水準を知るには、平均年収もチェックしてほしい。

そこで、今回『就職四季報2020年版』(総合版)の回答データを使って平均年収のランキングを作成した。大卒の就活生は基本的に総合職で入社することが大半なので、今回は総合職の平均年収(現業職を除いた平均年収)に絞り、「総合職の平均年収が高い会社」をピックアップしている。

上場企業だけでなく、有力な未上場企業もランキングされている。また、総合職に限っているため、有価証券報告書等で開示されている年収とは異なっている場合がある。なお、ランキングに際して年収が同値の場合、平均年齢の低い順に並べている。

年収1000万円超は52社

その結果、1000万円以上の会社は52社となった。昨年より11社増になっている。トップはキーエンス(2088万円)となった。同社はFAセンサーなど検出・計測制御機器大手で高収益として知られ、本ランキングで唯一の2000万円超えとなった。

2年連続で年収1000万円以上となったのは32社。うち未上場企業は、4位に入った西日本最大手の民放、朝日放送テレビ(1479万円)、12位にランクインしたコンピュータネットワーク機器最大手の外資系企業、シスコシステムズ(1215万円)など15社にのぼる。

業種別では、2位三菱商事(1541万円)、5位伊藤忠商事(1461万円)、6位三井物産(1420万円)、7位丸紅(1322万円)、8位住友商事(1304万円)と、上位10位のうち5社が総合商社となっている。

総合商社を含めた商社・卸売業は、ほかに16位JEF商事(1164万円)や、21位の双日(1103万円)などが1000万円を超え、合計で15社に達する。業績絶好調の不動産業も、3位のヒューリック(1530万円)、10位の三菱地所(1229万円)など計7社。利益水準がバブル期を超えた建設業も22位の鹿島(1102万円)をはじめ計5社が年収1000万円企業だ。

平均年収を見るうえでは、平均年齢、勤続年数をセットにしてみてほしい。当然1年目の年収とは大きく異なる。また業績連動賞与など年収が大きく変動する会社もあるため、実際に、入社後、その平均年齢になった際にこのランキング掲載の年収になるとは限らない。会社研究をする際には注意してほしい。また、平均年収のみにとらわれず、自身の働き方とあった企業を探しだしてほしい。

この時期になると、就職活動生は試験も終わり、就職活動への意識が高まる時期だろう。会社研究、自己分析など準備をしっかりして、3月以降の就活戦線本番に備えてほしい。


1 2 3 4 5 6 7


記事一覧 に戻る 最新ニュース読み比べ に戻る