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どちらも4気筒のターボエンジンでレギュラーガソリン仕様という点では共通しているが、ヴェゼルは1.5リッター、C-HRは1.2リッターと排気量が異なる。

ヴェゼルに搭載されるL15B型ターボエンジンは、すでにステップワゴンやCR-Vにも搭載されているものだが、車種によってチューニングが異なっており、ヴェゼル用は127kW(172PS)/220N・m(22.4kgf・m)というステップワゴン以上、CR-V以下の数値となっている。とはいえ、ヴェゼルはCR-Vよりも160kg以上軽量となっていることから、動力性能的にはかなり高くなっている。

対するC-HRのターボエンジンは8NR-FTS型と呼ばれるもので、日本では先代のオーリスに初搭載されたもの。現在ではカローラスポーツにも搭載されているが、スペックはすべて共通で85kW(116PS)/185N・m(18.9kgf・m)で、ヴェゼルと比べるとやや大人しいスペック。排気量の違いがあるため、やむをえないところだが、車両重量もヴェゼルのほうが軽量なため、純粋な動力性能ではヴェゼルに軍配が上がる。

ハンドリングについては好みが分かれるところだろう。ハイパワーなターボエンジンを搭載するに当たってシャシーのチューニングや専用サスペンション、アジャイルハンドリングアシストなどが標準車に対して追加されているが、2013年登場のヴェゼルはどうしても基本設計の古さが影響している感が否めない。特にサスペンションはハードな味付けとなっているため、評価が分かれるところだろう。

価格はどう違う?

一方のC-HRは、トヨタの新プラットフォームであるTNGAを採用したモデルであり、基本性能の高さが光る。エクステリアデザインこそ個性的でアクが強い印象があるが、乗り心地は極めてフラット。スポーティさを求めるユーザーは物足りなさを感じるかもしれないが、日常のアシとして考えるなら歓迎できるはずだ。

最後に気になる価格だが、ヴェゼルのターボモデルは「TOURING・Honda SENSING」のモノグレード展開で、価格は290万3040円。ナビ以外の装備はほとんど標準装備されている実質上級グレード扱いとなっている。

対するC-HRは、ベーシックな「S-T」が229万円?、上級グレードとなる「G-T」が260万5200円?となっており、上級グレードで比較しても排気量の小さなC-HRのほうが安価な価格設定となっている。また、ヴェゼルのターボモデルは前輪駆動のみとなるが、C-HRはプラス18万円(税抜)で4WDがチョイスできるという点もある。

このように近い車格のクロスオーバーSUVでも、車種によってキャラクターに差があることがおわかりいただけただろうか。価格や見た目という点も大事だが、実際に触れてみないとわからない乗り味については、好みが影響する部分だけに、後悔しないようにじっくり選んでベストの1台を見つけていただきたい。

小鮒 康一 フリー(ライ)ター

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こぶな こういち / Kouichi Kobuna

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とするが、実は現行車へのチェックも欠かさない。また、中古車販売店に勤務していた経験も活かし、中古車系の媒体でも活動中。できればどこへでもクルマで行きたいタイプで、電車移動は苦手な部類。通称「フナタン」。

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