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渦中の石本雅敏社長が重い口を開いた(撮影:大澤 誠)

スポーツ衣料大手のデサントと大株主である伊藤忠商事の対立は、ついに日本では異例な大企業同士の敵対的TOB(株式公開買い付け)に発展した。伊藤忠は現在30.4%保有するデサント株を40%まで引き上げる方針で、実現すれば株主総会で重要事項への拒否権を持つことになる。

デサントは2月7日に、TOBへの反対意見を表明。同社の労組もこれに同調した。伊藤忠とデサントの意見はまったくの平行線で、両者の対立には根深いものがある。50年にわたって二人三脚で歩んできた2つの企業に、いったい何があったのか。

伊藤忠は買い取り価格に時価の50%ものプレミアムをつけており、TOBの成立は避けがたい。絶対に不利な戦いにあえて挑むデサント側の狙いは何か。渦中の石本雅敏社長が重い口を開いた。ロングインタビューを前後2回に分けてお届けする(後編はこちら。全文の閲読には有料会員登録が必要です)。

対立の出発点は「通し」「付け替え」の強要

――伊藤忠商事との対立の出発点は、2013年の社長就任前後にまでさかのぼると認識しています。当時、伊藤忠による取引拡大の強要があったと主張していますね。


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