衆院選から10日ほど経った11月初旬、首相周辺は共産党機関紙「しんぶん赤旗日曜版」のコピーに目を見張った。「2千万円やっぱり?裏公認?料 首相の弁明崩れる」の見出し。選挙最終盤で明るみに出た自民党本部の非公認候補側への2千万円支給問題の続報だった。
首相の石破茂は選挙期間中、「政党支部向けであり、非公認候補に出したものではない」と反論していたが、続報は候補者がいない政党支部には支給がなかったと伝えた。
報道通りであれば、あくまでも2千万円は候補者向けを念頭に支給されたものであり、石破の繰り返した政党支部向けの「党勢拡大」という理屈は成り立たなくなる。
首相周辺は「党本部に『すべての支部に支払ったか』を何度も確認し『そうだ』と聞いていた。これまでの答弁と整合性が取れない」と憤った。
衆院選での自民大敗で2012年の政権復帰以来、形を変えながら受け継がれてきた「官邸1強」が消滅しました。変質する権力構造を検証します。
複数の党関係者は、そもそも…