(12日、第107回全国高校野球選手権宮城大会1回戦 古川学園17―0伊具=五回コールド)
「次、抑えよう!」。二回裏、古川学園の打者が一巡した場面。伊具の大石波之丞主将(2年)は、前向きな声かけを続けた。「無失点の回があったのは大きな一歩」。試合後、悔し涙を目に浮かべつつ、そう語った。
大石主将が伊具に入った昨春、野球部員は0人。少ない部員で甲子園に出場した「金農旋風」に重ねて「0から頂点を目指せる」と興奮した。
最初に「目に入った」という理由で誘った佐藤明選手(2年)と手分けし、全校生徒に「野球部に入りませんか!」と声かけをした。その結果、部員は計5人となり、秋には兼部の選手も含めて9人までに増えた。
部を離れた人もおり、この春は合同チームだったが、その後、1年生の入部と、他の運動部と兼部しながら出場する選手のおかげで、今大会は念願の単独出場を果たした。
試合は五回コールドで敗れた。それでも自分を支えてくれたチームメートや地域の人に「感謝しかない」。秋の大会では部員が引退するため、再び合同チームに戻る。来年、単独出場をめざし、また声かけをするつもりだ。「単独出場で1勝」が目標。「恩返しするには、それしかない」。最後は笑顔でそう宣言した。